前橋の女子高生死傷事故 きょう地裁で判決 予見の可能性が争点
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 前橋市北代田町の県道で2018年1月、乗用車で女子高校生2人をはねて死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた男(87)=同市=の判決公判が5日、前橋地裁で開かれる。「正常な運転が困難だと予見するのは十分可能だった」として禁錮4年6月を求刑した検察側に対し、弁護側は「事故の予見可能性はなかった」と無罪を主張。双方の意見が対立する中、地裁の判断が注目される。

◎検察側「責任能力はあった」/弁護側「心神喪失状態だった」
 同年11月に初公判が開かれたが、12月の第4回公判後に審理は中断した。地裁の職権で被告の精神鑑定が再実施され、11カ月後の19年11月に公判が再開。20年1月に結審した。

 公判では、事故当時の被告の健康状態などから (1)予見可能性に基づいて運転を控える注意義務があったか (2)刑事責任能力の有無―が主な争点となっている。

 検察側は、めまいなどの症状で医療機関を受診し医師に生活上の注意を受け、事故を複数回起こして家族から運転を控えるよう注意されていたと指摘。再実施した精神鑑定の結果から、軽度の認知障害または認知症で、「責任能力はあった」としている。

 一方の弁護側は、主治医から運転に関する注意はなかったと主張。起訴前の精神鑑定の結果を支持し、衝動的な行動が目立つ「重度の前頭側頭型認知症」で、心神喪失状態のため責任能力はないとする。

 全国で高齢ドライバーによる死亡事故が相次ぎ社会の関心が高まっているとして、検察側は高齢者による交通事故撲滅が国家的な課題だと強調し「身勝手な動機で運転した被告の行為は厳しく非難されなければならない」と主張する。これに対し弁護側は、被告は事故の4カ月前に運転免許を更新しており、当時の試験制度などが万全でなかったとし、「多くの原因に目をつむり、運転者の問題だとするのは事実から目を背けること」と指摘する。

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