アビガン 臨床研究へ 新型コロナウイルスで群馬大など3病院
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群馬大病院

 新型コロナウイルス感染症の治療に効果が期待される新型インフルエンザ治療薬「アビガン」について、群馬大医学部附属病院(前橋市)など県内3病院は12日までに、臨床研究を行うことを決めた。入院患者に投与し、効果を検証。安全性に関するデータを収集する。世界的に感染が拡大する中、治療薬としての有効性を早急に検討し、「必要とする患者に届けたい」としている。

◎20歳以上対象 最大50症例で計画
 前橋赤十字病院(同市)、高崎総合医療センター(高崎市)と共同で行う。群馬大病院によると、全国でも先進的な取り組みという。厚生労働省と協議し、実施に向けた態勢を整えた。

 新型コロナウイルス感染症患者のうち、20歳以上で肺炎と診断された人が対象。インフォームドコンセント(十分な説明と同意)を行った上で投与する。県内で患者が増える可能性を踏まえ、3病院合わせて最大50症例で行う計画だ。

 アビガンは国内製薬会社が開発し、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスを含む「RNAウイルス」の増殖を抑える効果が期待されている。新型コロナウイルス感染症患者への投与は全国では一部の医療機関が始めているが、治療薬としての本格的な使用には、臨床研究で科学的なデータを集めることが必要となる。

 臨床研究で中心となる群馬大病院の徳江豊・感染制御部長は「効果のある薬をいち早く患者に届けたい」と話している。

 県内3病院が連携した取り組みについて、山本一太知事は12日の定例記者会見で「希望のある良いニュース」と述べ、県として可能な支援を検討する考えを示した。

◎新たに女性2人が陽性 群馬県内の感染は3人に
 新型コロナウイルスの感染拡大で、群馬県は12日、新たに県内で2人の陽性が判明したと発表した。1人は7日に感染が確認された太田市の女性保育士と同居する60代の母親。もう1人は同市の60代の女性看護師で、感染経路は12日時点で分かっていない。県内での感染確認は計3人となった。

 県によると、保育士の母親、女性看護師とも県内の医療機関に入院中だが、話ができる状態で重症化していない。母親は10日まで発熱などの症状はなく、7日に陽性が判明した保育士から感染したとみられる。これまでの調査では、保育士と看護師、看護師と保育士の母親のそれぞれに接点は確認できていない。

 母親は7日から保育士の濃厚接触者として保健所の健康観察が続いていた。11日に38度の発熱などがあり、保健所に相談。帰国者・接触者外来の医療機関で肺炎が確認された。9日の生活上必要な買い物と受診時以外は外出していない。

 看護師は7日午前にマスクを着けて勤務したが、午後に38度の発熱やせきなどがあり早退。勤務先の医療機関の診察で9日に肺炎の疑いがあるとされ、11日に肺炎と確認された。発症前2週間以内の外出は車での通勤や近隣への買い物。発症後は受診時のみという。

 県はこれまでの調査で把握した看護師の濃厚接触者は夫のみとしている。勤務先の医療機関では職員、患者ともマスクを着けていたとして、県は「現時点で院内感染のリスクは極めて低い」との見解を示した。病院関係者を濃厚接触者に含めていない。

 保健所は12日、看護師の勤務先の医療機関に診療の自粛を要請した。この医療機関は消毒が予定されている。

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