新型コロナ確認で大泉町 聖火リレーのイベント中止 町長が対応策
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記者会見で対策を説明する村山町長=15日午前11時40分ごろ、大泉町役場

 新型コロナウイルス感染症の患者が確認されたことを受け、群馬県大泉町は15日、町内で31日に予定される東京五輪の聖火リレーに伴う関連イベントを中止すると発表した。不安を抑えるため、感染が判明した医院の近くの学童保育を別の場所に移し、外国人居住者にはポルトガル語で情報発信する。町内での感染者判明に住民は不安の声を漏らした。一方、町側は、町内での感染にもかかわらず、県の情報開示が著しく遅いとして県の対応に不満を示した。

◎町長「県の情報遅れ」不満も
 町役場で15日に開いた会見で、村山俊明町長が対応策を発表した。聖火リレーに合わせて予定していたミニセレブレーションを中止し、地元スポーツ少年団の代表児童20人がサポートランナーとして走るイベントなども開催を断念した。

 感染した医師が働く同町の「ましも内科・胃腸科」近くの児童館で行う学童保育は大泉北小に場所を変更。町内小学校の卒業式は規模を縮小して学級ごとに開催、卒業証書授与を個別に行うことも検討するとした。

 町内はブラジル人など外国人が多いため、日本語とポルトガル語で併記した啓発用チラシを町内のスーパー12店に掲載。地域の教会にも配布し、ブラジル人学校に職員が出向いて説明した。防災行政無線による同感染症情報を2カ国語で放送することも検討する。

 町内で感染者が出たことを受けて、同町に住む70代男性は「病院に行くのが怖くなった。明日は自分が感染するかもしれない。みんな疑心暗鬼になっていると思う」と話した。太田市から同町の孫に会いに来た70代男性は「医院での発生というのが非常に怖い」と戸惑った様子だった。

 一方、村山町長は会見で、感染判明に伴う県から町への正式な情報提供が著しく遅れたことを問題視した。12日に陽性が判明したにもかかわらず、県内3例目の感染者の看護師(太田市)がましも内科・胃腸科に勤務していると連絡が入ったのは翌13日午後7時ごろ。4例目の感染者が同医院の医師だと知らされたのは、14日午後9時ごろの知事会見が始まる10分前だったという。村山町長は「町と町民が軽視されている」「県の会見がもっと早ければ早急に対策を打てた」などと強い不満を隠さなかった。

 また、14日に県が配布した提供資料に、濃厚接触者が「館林保健所管内」にいる可能性が示されたため、近隣の町長からの状況確認の問い合わせが村山町長に寄せられるなど混乱があったことも明かした。

 大泉町の指摘に対して、山本一太知事は16日、「県と市町村の連絡をどうするかは、あらためて情報共有の仕組みを庁内でも議論したい」とした。

◎診療所関連の感染4人に 県「クラスターに近い」
 大泉町の診療所「ましも内科・胃腸科」で起きたとみられる新型コロナウイルスの院内感染で、県は16日、陽性反応の出た男性医師らの濃厚接触者のうち、診療所に事務職員として勤務する同町の50代女性の感染が新たに確認されたと発表した。同診療所関連の感染者は4人になった。クラスター(感染者集団)が発生している恐れがあるとして県は同日、厚生労働省に専門家チームの派遣を要請した。

 県によると、事務職員は9日夜に喉の痛みや頭痛、だるさが出始め、12日にはせきが出た。感染が確認されている男性医師や女性看護師と院内の業務で接することがあった。勤務中はマスクを着けていた。診療所が休診に入ったため、13、14両日は患者の受け付け業務はなかった。

 15日に38度台の発熱があり、帰国者・接触者外来を設ける県内の医療機関で肺炎が確認され、入院している。基礎疾患があるが、重症化していない。

 同診療所関連の濃厚接触者は76人。保健所による健康観察は最も遅い人で26日まで続く。

 県内の感染者は、太田市の女性保育士らを含め計6人となった。保育士の濃厚接触者計152人は16日で健康観察が終わる。県はその後も体調が悪くなった場合は保健所への連絡を求めることにしている。

 一方、県は同日夜に県内外の専門家を集めた感染症危機管理チームの初会合を開いた。山本一太知事は終了後の報道陣の取材に対し、同診療所での感染について「クラスターに近いことが起こっている」との認識を示した。

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