東洋大が板倉から撤退 24年度移転、方針伝える
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
東洋大が撤退の方針を決めた板倉キャンパス

 東洋大(本部・東京都文京区)が群馬県板倉町から撤退する方針を決め、県内関係者へ伝えたことが20日、分かった。志願者が集まりにくいことが主な理由で、板倉キャンパス(同町泉野)にある生命科学、食環境科学の両学部を2024年度、東京へより近い朝霞キャンパス(埼玉県朝霞市)へ移す。同大は県企業局が整備した板倉ニュータウンの中核的存在。撤退に伴う地元への影響は交流人口の減少をはじめ多方面に及ぶとみられる。

 関係者によると、両学部は東京、埼玉にある同大の他学部と比べ、志願者を確保しにくい状況が続いている。今後さらに少子化が進むと見込まれる中、利便性などから受験生の人気が高い東京近郊へキャンパスを集約すべきだと判断したとみられる。

 同大は朝霞キャンパスにある学部を21年度に都内へ移す方針を既に明らかにしており、「都心回帰」を進めている。

 板倉キャンパスは1997年に開設した。当初設けた国際地域学部を2009年に都内へ移転したが、13年に新学部の食環境科学部を設置。生命科学部と合わせ現在の2学部体制となった。研究、教育施設のほか、陸上競技場などのスポーツ施設を有している。

 同大誘致に当たっては、町や県、県企業局が数十億円規模の支援をした。東武日光線の板倉東洋大前駅は、ニュータウンの住宅団地造成とともに、同大の板倉町進出を踏まえて整備された。大学との間で、行政や地域住民が長年にわたり協力関係を築いてきた経緯がある。

 板倉町の栗原実町長は上毛新聞の取材に対し、「撤退が本当であれば、県の助言を受けながら慎重に対応したい」と述べ、今後の推移を見極める考えを示した。

 同町商工会の小池敏郎会長は「(大学撤退は)町にとって非常にマイナス。構内で商売をしている会員も複数いる。うわさには聞いていたが、とても心配だ」と話した。

1995年 東洋大が県、町などと協定締結、板倉町進出を正式決定
 97年 東武日光線板倉東洋大前駅開業。板倉キャンパスを開設し、国際地域学部、生命科学部を設置
2009年 国際地域学部が都内へ移転。生命科学部に応用生物科学科と食環境科学科を設置
 13年 食環境科学部を設置
 24年 板倉町から撤退方針

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事