高崎官製談合 3被告に有罪判決 前橋地裁 菅田元館長「強い影響下」
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 高崎芸術劇場(群馬県高崎市)の備品購入を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪に問われた同劇場元館長の菅田明則(66)、元市課長の佐藤育男(50)=懲戒免職=ら3被告の判決公判が28日、前橋地裁(山崎威裁判長)であった。山崎裁判長は「入札の公正を大きく害した。動機に酌むべき点はない」として菅田、佐藤両被告にそれぞれ懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。

 公契約関係競売入札妨害の罪に問われた電気工事会社「阿久沢電機」元社長の阿久沢茂被告(68)には、懲役1年、執行猶予3年を言い渡した。検察側は菅田、佐藤両被告に懲役1年6月、阿久沢被告に懲役1年を求刑していた。

 山崎裁判長は判決理由で菅田被告について、劇場の整備に関し「市長と近しい立場を背景として、市や財団の職員を強い影響下に置いていた」と指摘。菅田被告の強い影響力がなければ今回の事件は起こり得なかったとして「主導者として重い責任がある」とした。

 佐藤被告については「公務員としての職務に反した。依頼を断れば、劇場建設の事業が円滑に進まないことを恐れて犯行に及んだ」。阿久沢被告については、予定価格が分かれば「最大限の利益が得られると考えた」と述べた。

 一方、3被告が「市政への信頼や劇場の歴史に汚点を残した」などと反省の弁を述べていることなどから執行猶予付きにしたとした。3被告はスーツ姿で、時折うなずきながら判決を聞いていた。

 判決によると、3被告は共謀し、昨年の1月24日と2月21日に行われた市発注の指名競争入札を巡り、劇場に使用する照明機材「ムービングライト」と、延長コードなどの備品について、非公表だった予定価格5800万円(税抜き)と1090万円(同)をそれぞれ漏えいし、入札の公正を害した。

【解説】背景に濃密な関係

 高崎芸術劇場を巡る官製談合事件は、3被告に有罪判決が言い渡された。予定価格漏えいの背景には、長い年月をかけて育まれた菅田被告を中心とする3被告の濃密な人間関係があった。菅田被告は3月の初公判で、佐藤被告を「一心同体」と語り、阿久沢被告についても「高崎を共に支える同志」と表現。こうした関係を背景に、佐藤被告は「菅田被告の頼みを断れずに」予定価格を漏えいした。

 富岡賢治市長は、菅田被告の人脈や企画力を高く評価し、劇場整備を巡り“お墨付き”を与えていた。判決理由でも、市長と近いという立場から、菅田被告が市や財団職員を自らの強い影響下に置いていたことが指摘された。

 一民間人である菅田被告が権限を強めたのはどうしてなのか。なぜ、市職員が予定価格漏えいという「一線」を越える行為に関わるに至ったのか。司直のメスを機に市関係者にはしっかりと向き合い、市民からの信頼回復に努めてほしい。(報道部 稲村勇輝)

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