《コロナと向き合う (3)》発熱外来増で安全担保 県医師会長・須藤英仁さん
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 新型コロナウイルスの感染者増加に伴い、医療従事者が厳しい状況に置かれている。群馬県医師会長の須藤英仁さん(68)は発熱した人を診察するための「発熱外来」を増やし、新たな医療スキームを構築する必要性を強調する。

―県内の感染者数の推移をどう見るか。
 2月ごろから懸念していた。まん延期に入り、まだ増える可能性がある。医療機関がコロナ対応ばかりに追われれば、他の病気の診療ができなくなり、医療体制が崩壊してしまう。今の群馬はぎりぎりの状況だ。伊勢崎市の有料老人ホームのような集団感染がさらに起こると厳しい。

―医療の現場は発熱患者の対応に苦慮している。
 発熱した人を他の医療機関に回したり、中には閉鎖したりする所もあるが、それぞれの医師が判断している。ほとんどの発熱はコロナ以外が原因。対外的に開かれた「発熱外来」の数を増やして、発熱した人と他の病気の患者とを区分する医療スキームを作り、安全を担保した上で、患者が診療を受けられるようにすることが必要だろう。長期化すれば負担軽減のため、県内にコロナ感染症指定病院を設けるのが合理的だ。

―県内でも院内感染が発生した。
 医療従事者の感染は何としても避けたいと思う。発熱外来の設置で一般の患者と分離でき、安心につながる。救急対応している病院は患者の動線をしっかり分ける必要がある。防護衣の不足は最大のリスクだ。着脱訓練も重要。自衛隊などの協力を得て教育したい。

―PCR検査の枠を拡大すべきとの意見が根強い。
 現在は陽性になったら基本的に全て入院となる。前橋赤十字病院(前橋市)の災害派遣医療チーム(DMAT)に本部機能がある病院間調整センターで重症度を判断し、病院を振り分ける。県主導のPCRセンターを数カ所設け、PCR検査がなるべく多くできるようになるといい。コロナ感染症とは考えられない骨折などの患者が入院後、感染判明するケースも報告されている。必要な個室管理は診療報酬上、認めるべきだ。

―行政への要望は。
 県には発熱外来、PCRセンターの拡充、改善を強く求めたい。発熱患者の受け入れや検査、症状の程度による病院の振り分けなど、スキームにのっとって進めるべきだ。医療関係者の二次感染の予防、補償の問題も避けて通れないので、理解を願いたい。

 すとう・えいじん 群馬大医学部附属病院、前橋赤十字病院などに勤務。県医師会副会長を経て2016年6月から現職。日本医師会理事、須藤病院長。高崎高―東京医科大卒(外科)。医学博士。安中市

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