《新型コロナ》群馬県産農畜産物が消費低迷続き苦境 牛肉・牛乳・花き 家庭用に期待
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消費への影響が出ている主な農畜産物

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた外出自粛が続く中、さまざまな群馬県産農畜産物で消費の冷え込みが長期化している。外食需要が激減した牛肉や、イベント自粛のあおりを受けた花きなど、影響は多方面に及ぶ。緊急事態宣言は5月末まで延長される見通しで、状況はさらに厳しさを増す恐れがある。生産者らは行政による支援や、家庭での消費拡大に希望をつなげている。

 「出荷するほど赤字が膨らんでしまう」。前橋市で和牛約200頭を育てる男性(77)は深刻な状況を打ち明けた。市場価格は新型コロナの影響が本格化して一段と低下。子牛を購入した際の費用や餌代を考えると、採算がまったく取れない状態だ。

 いつまで続くか見通せないことが一番の不安だという。「こういうことは初めて。外食は難しいかもしれないが、家庭で食べる機会が増えてほしい」と祈るような思いでいる。

 県食肉卸売市場(玉村町)によると、等級などで異なるが、取り扱う牛肉の枝肉相場は3月以降、1キロ当たり400~500円下がり、価格も不安定な状態が続く。500キロの牛1頭を出荷した場合、農家の収入は20~25万円程度少なくなる計算だ。牛肉はインバウンド(訪日外国人客)や外食需要が消費を支えていたため状況は深刻という。

 畜産では、休校に伴い給食への牛乳の供給もストップ。榛名酪農業協同組合連合会(高崎市)は学校給食用の牛乳を家庭用に振り向けて対応しているが、生産は5、6月がピークを迎えるため「休校がさらに長期化すると対応し切れなくなる可能性もある」とみる。

 イベントや贈答用の花きも大打撃を受けている。東京方面へ出荷されるバラやアジサイの取引価格は例年の半値ほどに落ち込んでいる。

 バラ生産者で、日本ばら切花協会県支部長の大沢昭彦さん(44)は、採算割れでせっかく育てたバラを廃棄せざるを得ない生産者も出ていると説明。母の日(5月10日)の需要のほか、外出自粛で自宅で花を飾る機会が増えることに希望を託す。「こんなときこそ、気持ちを和ませる花の魅力を多くの人に知ってほしい」と訴えている。

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