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新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、群馬県内の一般医療機関も奮闘している。飛び込みで来院した患者に新型コロナの疑いが判明したり、通常の患者が減って大幅な収入減が懸念されたりと、神経をすり減らす場面は多い。感染防止のため、厚生労働省が期間限定で初診患者を対象にすることを認めたオンライン診療の活用も広がっている。
県内の医療機関で外来診療する男性内科医の下に4月下旬、体の痛みを訴える新規患者が訪れた。発熱や呼吸器症状の訴えはなかったが、聴診やコンピューター断層撮影(CT)で肺炎の疑いがあったためPCR検査を依頼した。
「新型コロナではない可能性もあるが、まずはそれを否定しないと先に進めないと考えた」と男性内科医。ただ、飛び込み患者のため、マスクこそ着けていたものの対応は普通の患者と同じ。もし新型コロナだった場合、感染の不安がないわけではない。
■「戦時中」
不安は他にもある。男性内科医が働く医療機関は受診患者が大幅に減少している。背景には外出自粛や病院での新型コロナ感染への心配があるとみられ、経営面の深刻な問題になりかねないという。「国はもっと長期的な見通しを語るべきだ」と求める。
県内の感染症指定医療機関に勤める男性外科医は、感染者が確認された別の医療機関から新たに日帰りの抗がん剤治療患者を受け入れるなど現場の負担が増えていると明かす。資材不足も深刻。マスクは「戦時中かと思わせるような」配給制が続き、手術中のガウンなども減少している。
一方、感染拡大を防ぐため、オンライン診療で患者との接触機会を減らす取り組みも出ている。
静内科(高崎市)は人間ドックの結果説明などが中心だった対象を初診患者にも広げた。ドライブスルー診療も採用し、インターネット上での問診やテレビ電話を組み合わせて感染リスクを減らしている。静毅人院長は「感染の心配なくリラックスして診察できれば、患者と医療従事者、お互いのためになる」とする。
約1年前から導入しているセントラルレディースクリニック(同市)は低容量ピルなどによる月経コントロールや母乳相談、医療相談を受け付けている。当初はほとんどなかった問い合わせが、徐々にではあるが増えつつあるという。
■手探り状態
戸惑いもある。4月20日から始めた甘楽富岡地域の小児科医院は、患者からメールで送られてきた子どもの患部の写真を見ながら電話で症状を聞く。湿疹があった子どもの場合は皮膚の状態を確かめ、支払いで来院した保護者に薬を処方した。
新型コロナの感染リスクは少なくなったが、通常なら触診で皮膚の状態を確認し、湿疹の種類を判断するだけに「(画像を通した)見た目だけでは大まかな症状しか分からない」と手探り状態であることを明かした。
オンライン診療の仲介・予約サイト「CLINICS」を運営するメドレー(東京都)は慢性疾患のある患者が感染リスクを減らせるメリットがある一方、その場で治療や検査をできる訳ではないことから「対面診療との組み合わせが大切」と指摘している。
オンライン診療 スマートフォンやパソコンの画面などを通じ、医師が遠くの患者を診察する。厚労省は新型コロナウイルス感染拡大が収まるまでの特例として、新型コロナ以外を含めて初診から可能とした。患者は診療を希望する医療機関を選んで予約する。厚労省はホームページで対応する医療機関の名称や住所などを公開しており、群馬県は4月末時点で253カ所が紹介されている。