緊急事態宣言の解除の群馬県 事業者からは期待と不安さまざま
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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国に出されていた緊急事態宣言が群馬県を含む39県で解除された14日、県民や県内事業者からは感染予防対策の緩みを警戒する声の一方、経済活動が徐々に再開していくことに期待する声が上がった。ただ、東京や埼玉などが引き続き宣言の対象となり、都道府県をまたぐ往来の自粛要請は続くため、温泉旅館や飲食店では厳しい経営環境が続くとの見方が強い。

◎安心の日まだ遠く
 「解除になったことで気が緩んでしまわないだろうか」。高崎市箕郷町西明屋の森山明さん(72)は、引き続き宣言の対象地域となる埼玉など関東4都県が群馬県に近接しているとして不安の声を上げる。「感染が拡大しないか不安。お店などは段階的に再開してほしい」と気をもむ。

 休業中で6月に再開予定だった草津温泉の草津白根観光ホテル桜井(草津町)の桜井芳樹社長は「東京で収束し、解除にならない限り予約の増加は期待できない」と説明。「少数の予約では経営効率が悪くなる」として、予約が少ない同月18日までは休業を延長するという。

 伊香保温泉(渋川市)では、14日時点で同温泉旅館協同組合に加盟する約10施設が営業を再開したが、依然として宿泊予約は少ないという。同組合の高橋秀樹理事長は「解除で明るい兆しが見え始めたが、首都圏からの観光客を呼び込めないので状況は厳しい」と打ち明ける。その上で「地元の人のコロナ疲れを癒やす『骨休め』として温泉を活用してもらうことから始めたい」と話した。

 伊勢崎市のラーメン店「麺や蔵人くろーど」は緊急事態宣言の後、売り上げが通常の7割減となった。内野公義代表は解除を前向きに捉えるが、「客数が戻るには時間がかかる」とし、今後への不安を隠さない。「店内での感染防止対策やテークアウトの強化、今後はデリバリー業者を活用した販売なども始めたい」とする。

 太田市の会席料理店「成花」の若女将、寺内麻須美さん(43)も「少し光は見えてきたが、人の流れが読めない。宴会を開く人がどれだけいるのか…」。宴会の申し込みがあれば受け付けるが、「感染につながらないように対策は続けなければ」と話す。

 月内の休業を決めている伊勢崎市のスポーツジムは宣言解除となったが、当面は営業再開の予定はないという。担当者の男性(44)は「営業を再開するにしても、どこまで通常に戻すか悩ましい。『3密』にならないようにできる準備はしていきたい」と説明した。

◎宣言解除「残念だが危機感伝えられた」 山本知事
 緊急事態宣言の継続を政府に要望していた山本一太知事は14日夜、臨時記者会見を開き、宣言の対象地域から外れたことを受け、「残念だが、解除されてもまだまだ油断はできないという危機感は県民に伝えられた」と述べた。

 15日の対策本部会議で正式決定予定の休業要請などの緩和条件をまとめた独自指針について「今の状況なら(16日から)警戒度3になる可能性が高い」との見方を改めて示した。

 指針案では警戒度が現状の4から3になると、休業要請はカラオケ、スポーツクラブなど感染リスクが高いとされる一部施設を除き、飲食店の時短営業を含めて解除する。外出自粛も「密閉、密集、密接」が重なる場所だけに緩和する。

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