《新型コロナ》休校で学校のICT化が加速 家庭や私公立で差も
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 文部科学省は小中学生に1人1台のパソコンを確保する「GIGAスクール構想」に取り組む。新型コロナの感染拡大を踏まえ構想を加速する方針が示され、関連費用2292億円を盛り込んだ国の補正予算案が4月末に可決された。

 国の構想に先駆けてICT導入に取り組む共愛学園中学高校(前橋市小屋原町)は、2018年に全教室で公衆無線LANサービス「Wi-Fi」を利用できるよう整備済み。昨年度から中高の新入生にはタブレット端末も配布しており、今回の臨時休校中にはこれらを生かし、双方向でやりとりできるテレビ会議システムで授業を生配信している。

 数学では人工知能(AI)を搭載したアプリを導入。個々の習熟度に合わせて出題し、採点にも対応する。松本ひろむ教諭は「教師は解答時間や正答率などをリアルタイムで把握でき、一斉指導では難しい個別最適化された学びが可能になる」とし、収束後の授業運営を見据える。

 このほか、群馬県内の私立高校の多くは、教師が撮影した授業動画の配信に取り組む。動画投稿サイト「ユーチューブ」や学校ホームページに、生徒のみが見ることができる形式で掲載するケースが大半だ。

 農大二高(高崎市石原町)では主要5教科の動画をユーチューブに投稿し、パソコンなど試聴環境が整っていない生徒には端末を貸し出すなどしている。担当の手島健教諭は「動画を活用すれば再開後に復習しやすく、分散登校でも対応できる」と効果を期待する。

 一方、各家庭のインターネット環境には差があり、多くの市町村立学校は紙資料を中心とせざるを得ないのが実情だ。下仁田町のように小中学生の一部にタブレット端末を貸し出し、ホームルームをオンラインで開くなど遠隔で学習を支援するところもあるが、人口の多い自治体では回線料などの持ち出しが多額となり、児童生徒向けの端末導入は容易ではない。

 前橋市は中学3年に端末を貸し出しオンライン学習を始める方針だが、市教委は「小中約70校2万4000人の児童生徒がいる。台数には限りがあり、1人1台を早急に実現するのは難しい」としている。

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