《コロナ現場発》医療従事者ら 防護具扱い細心の学び
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
防護具一式を身に着ける医師。脱ぐのは難しく、感染リスクに影響する

 新型コロナウイルス感染症に関する医療や検査を提供する上で欠かせないのが、医療従事者らの感染防止策だ。防護服の利用や手袋などの着脱には最大限の注意を払う必要がある。群馬県の新規患者数は減少傾向にあるものの、懸念される感染拡大の第2波、第3波に対応するため、発熱外来やPCR検査センターなどが各地に設置されつつある。医師らは防護具講習会などへの参加を通じ、最前線を担う日に備えている。

◎第2波に備え最前線を維持
 「これは難しい」。県医師会が前橋市内で開いた防護具講習会。県衛生環境研究所の検査技師らの指導を受け、2人一組で防護服の表面を丸め込むように脱いでいた医師が思わず口にした。実際の現場でも不慣れな場合は1人で防護服を脱ぐことは難しく、看護師が補助するという。

 手袋は2枚着け、1枚の裾は袖の中、もう1枚の裾は袖の外からかぶせる。防護服や高性能マスク、手袋など一式を着け終わると、外からはフェースシールド越しに目の周りがわずかに見えるだけの完全防備だ。

 「一番汚れているのは2枚目の手袋です」「きれいなところ(防護服の内側)を持って脱がせてください」。脱ぐ段階になると、講師の言葉数は一段と多くなった。どの防護具も表面にウイルスを含む飛沫が付着している恐れがあるからだ。防護具を一つ外すごとに手を消毒するように強調していた。

 藤岡市で診療所を開く整形外科医、星野光治さん(69)は「着るのは簡単だが、2人でなければ脱げない。どうしても表面を触ってしまう」と難しさを語る。大型連休中に自前の防護具を使い、自院の看護師と脱着の練習をしたという。

 現場の感染防止は医療体制を維持する意味からも重要だが、現実的には全国各地の医療機関で医師らの感染が相次いでいる。群馬県でも公立館林厚生病院で患者に対応した医師らの感染が判明し、感染経路の可能性の一つとして「防護具の脱着時の不適切な手順による接触感染」が指摘された。防護具の扱いは感染リスクを左右する。

 病院内だけでなく、軽症者らが入るホテルや地域の医師会が運営するPCR検査センター
での検体採取など医師らが携わる場面は増えている。実際に検体採取に携われば感染のリスクは否定できず、感染すれば診療を継続できなくなる恐れもある。それでも講習会に参加した前橋市内の病院の内科医の男性(56)は力を込めた。「みんな人のためになりたいと思うから来ている」(山田祐二)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事