《コロナ現場発》特別支援学校の再開迫る 障害応じ予防策模索
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授業で装着するフェースシールドを手にする教諭=27日、県立聾学校

 新型コロナウイルスの影響による臨時休校からの再開に向け、群馬県内の特別支援学校もさまざまな感染予防策を講じながら準備を進めている。障害の特性に応じて、マスクを着けないことや、密着することが学習面や安全面で求められることもあり、配慮すべき点は多い。県立学校では6月1日から分散登校が始まるため、教職員は最善策を模索しながら児童生徒の指導に臨む。

◎消毒や手洗いを徹底 マスク使えぬことも
 県立ろう学校に通う子どもたちは、手話や口の形で意思疎通するが、マスクで口元を覆うと言葉や表情が伝わりにくいため、中学部・高等部の生徒と教職員はフェースシールドを装着して学校生活を再開する。フェースシールドはプラスチックのシートを用いて教員が手作りした。

 20人程度の生徒が寄宿舎を利用する。対策として、分散登校日に合わせる形で生徒の利用を限定。複数人で使う部屋もあるが、原則1人1部屋で使えるようにする。松本孝行教頭は「感染症のリスクが心配される中で不便さはあるが、フェースシールドなどを活用し、学習の質を上げていきたい」と話した。

 県立盲学校では、子どもたちが点字が印字された教科書や模型を触りながら学習する。校内を移動する際も、壁や手すりを触って安全を確認する。共用部分を小まめに消毒し、手洗いの指導を徹底するという。

 知的障害のある子どもたちが通う県立高崎特別支援学校。スクールバスで通学する子どもが多いが、窓から顔や手を出したりする危険があるため、走行中は窓を開けて換気するのは難しい。車内で長時間密集した状態を避けるため、保護者に可能な限り送迎を依頼している。

 赤城特別支援学校は県内八つの病院内に教室が設置され、入院する生徒らが在籍する。教員は看護師らに立ち会ってもらい、教室での子どもとの距離の取り方を確認して、授業再開に備える。教員が病室に出向いて実施する学習指導については、感染症を持ち込むことを防ぐ観点から、6月は見送ることを決定。同じ建物内にいながら、ビデオ会議システムを用いて「遠隔授業」を行うとした。

 肢体不自由の子どもたちが通う二葉特別支援学校。車いすに乗せる際などに子どもの体にじかに接するが、アレルギーや疾患によってアルコール消毒液に触れられなかったり、マスクを着用できなかったりする子どももいる。

 感染予防に細心の注意を払い、手洗いを徹底。胃ろうや吸引などの医療的ケアは、フェースシールドとエプロンを着けた看護師が対応する。筑井博之校長は「安全を第一に、授業再開後も可能な対策をさらに見つけたい」としている。

 同校小学部1年の野口明稟さんの母、佑美さん(36)=前橋市=は、通学に感染リスクが伴うと認識した上で「学校は衛生管理に時間と手間をかけてくれているのでありがたい。娘もお友達に会えるのを楽しみにしている」と話した。(藤田賢)

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