動物もコロナ警戒 獣医師ら「過剰な接触避けて」
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マスクを着けてヤギの餌やりを体験する親子=伊香保グリーン牧場

 新型コロナウイルスを巡り、人間だけでなく動物への感染にも警戒が求められている。海外ではペットの犬猫や動物園のトラといった動物への感染例が複数報告されており、厚生労働省も注意を促す。動物と接触して働く群馬県内の飼育員や獣医師らは対策を強化し、動物を含めた感染予防の在り方を模索している。

 「久々の外出。動物とも触れ合えて、良い気分転換になった」。5月30日に通常営業を再開した伊香保グリーン牧場(渋川市)。子どもと訪れ、ヒツジやヤギへの餌やりを体験した前橋市の40代男性は笑顔を見せた。

 同牧場では入場ゲートでの手指の消毒など客の感染予防策とともに、動物の予防に力を入れる。餌やりや獣舎の掃除といった世話を担う飼育員にとって、動物との接触を絶つのは困難。作業はマスクを着用し、小まめに消毒するなどの対策を徹底する。広報担当者は「飼育員が感染してしまうと、そもそも面倒を見られなくなってしまう。まずは人がかからないように対策している」と説明する。

 厚労省によると、新型コロナについて、イヌ科の動物に具体的な症状は見られなかったが、ネコ科の動物の場合は呼吸器や消化器に症状が見られたとの研究結果があるという。

 保護猫カフェ「猫のへや」(桐生市)では、隣接する栃木県内から猫を預かり保護することもあるため、来店客には接触の前に手指の消毒を求めるなど感染予防に気を配る。オーナーの萩原ひとみさんは「仮に猫が人にコロナをうつすような事態になれば、(ネコの)処分も考えられる。その点では特に慎重になっている」と話す。

 動物病院も警戒を強める。桑原動物病院(前橋市)は、院内で人と動物が密集した状態を避けるため、来院者には呼び出しベルを手渡し、診察の順番まで車内での待機を求める。予診票も車内で記入。慢性疾患があるペットには必要に応じて通常よりも多く薬を処方し、不要不急の外出を避けてもらうようにしている。

 同院の獣医師で県獣医師会の桑原保光副会長は「研究結果などから、飼い主らからペットに感染する可能性は考えられる」と指摘。感染予防には「ペットとの過剰な触れ合いを避け、ふん尿は速やかに掃除し、飼い主も含め日ごろから健康増進に努めることが重要」と強調する。

 厚労省はインターネット上で動物飼育者向けのQ&Aも公開。感染例はわずかだとしながらも、動物との過度な接触を控えるよう呼び掛けている。

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