「無念だっただろう」 横田滋さん死去に県内支援者
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めぐみさんの早期救出を訴えた滋さん(左)と早紀江さん=2014年6月7日、桐生市中央公民館

 北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の父で、拉致被害者家族会初代代表の横田滋さんが亡くなった5日、群馬県内で拉致問題解決に向けて活動してきた支援者らは言葉を失った。

 滋さんが日本銀行前橋支店(前橋市)で働いていた1980年代から家族ぐるみで交流し、拉致被害者や家族を支援する「救う会・群馬 群馬ボランティア」の事務局長、大野敏雄さん(84)=同市=は、滋さんの妻の早紀江さんと4日に電話したばかり。「早紀江さんは『新型コロナウイルスの影響で面会できない』と話していた。まさか、こんなに早く亡くなるとは」と言葉を詰まらせた。滋さんは長年、拉致問題での中心的存在だったため、「優しい人で、本当に一生懸命取り組んでいた。力を奪われた」と肩を落とした。

 大野さんの妻で、救う会・群馬の代表、トシ江さん(87)は滋さんと同じ年でもあり、「いつかこういう日がくるとは思っていたが、さみしく、悲しい。めぐみさんと再び会えなかったことも残念だ」と声を絞り出した。

 横田さん夫妻は2014年6月、桐生市で開かれたイベントに参加。企画したそらのこえの会の関敦子代表(78)は拉致問題が進展していない現状に憤りつつ、「めぐみさんに会えず、無念だったと思う。『1時間でも会いたい』と言っていた姿を覚えている」と思いを寄せた。

 安中市の特定失踪者、横田道人さん=失踪当時(23)=の妹で、藤岡市の真藤真由美さん(71)は、講演会などで滋さんに2回会ったことがあり、「優しそうで、娘を心配して熱心に活動されていた」と振り返る。拉致問題の関係者が高齢化している現状を指摘し、「問題が徐々に忘れ去られしまうのでないか」と懸念した。

 山本一太知事は5日夜、インターネット番組での西村康稔経済再生担当相との対談で、滋さんの死去に触れ「残念だが、決意を新たにして地方から応援する。一日も早く解決できるように頑張ろう」と述べた。

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