新宮司は“非世襲” 高崎・諏訪神社で禰宜の高橋さんが宮司就任
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羽鳥喜美さん(右)と話し合う高橋佑介さん

 神社の後継者不足が全国的な課題とされる中、群馬県高崎市金古町の諏訪神社では5月、羽鳥喜美さん(83)が宮司を退き、禰宜ねぎの高橋佑介さん(34)が宮司に就任した。高橋さんは羽鳥さんと親族関係になく、代々神職を務める「社家しゃけ」の出身でもない。県内でも数少ない神社トップの代替わりの事例とみられ、神社の経営改善に向けた手腕も期待される。

◎親族の後継者不足も影響「地域の人に愛される神社に」
 同神社は中世が起源とされ、羽鳥さんの先祖も宮司を担い、地域文化伝承の役割を担ってきた。近くのサラリーマン家庭に育った高橋さんは高校生の頃から神社に関心を持ち、国学院大神道文化学部に進んだものの、一度挫折し中退。JR系の会社に就職した。しかし、初志を忘れられず、学び直して26歳で同神社の権禰宜ごんねぎになった。

 パワースポットと呼ばれる神社が、遠方から多くの参拝者を集めるのに対し、核家族化や生活風習の変化に伴い、祭りなど地域社会での神職の出番は減る。高橋さんはトラック運転手や他神社の御朱印帳作りなどで生計を立てながら、神職を続けてきた。

 厳しい経営環境を受け止めながら続ける高橋さんの意欲を買った羽鳥さんは、親族に後継者がなく、高齢と改元の節目もあって宮司を譲ることにした。5月中旬、新型コロナウイルスの終息も祈願した同所伝統の「庚申こうしん祭」が、羽鳥さんの花道になった。

 県神社庁参事の長尾悦治さん(71)は地域神社の経済状況は厳しいとし、「親族でもなく、社家出身でもない人が宮司の存命中に後継になった珍しいケース」と指摘する。高橋さんは「地域の人に愛され、集まれる神社にしていきたい」と話している。

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