《模索 新型コロナ群馬県内初確認3カ月》(3) 病床 病院で看護師ら感染
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県内にある感染症指定医療機関で、新型コロナ患者らが入院する一室(写真はイメージ)

 新型コロナウイルスの感染者を診療した群馬県内の三つの病院で3~4月、看護師らが感染し、救急受け入れや外来診療を一時休止した。2カ所は感染症に対応できる基準を満たす「感染症指定医療機関」。もう1カ所は、指定はないが病床確保のため協力した利根中央病院(沼田市)だった。急増した感染者を複数の病院が分担して受け入れ、前線で奮闘する医療従事者の感染リスクも高まった。

 県内12の指定機関にある本来の感染症病床は計52。厚生労働省は、満床時には一般病院での受け入れも検討するよう通知していた。

 県内初の感染が確認される前の2月から、県は感染拡大に備えて複数の病院に声を掛けていた。県によると、利根中央病院も了承し、4月には病棟の区分けの検討など、受け入れを想定した準備を進めていた。もともと感染症に対処する一定の人員がおり、保健福祉事務所や外部の感染症専門医による助言指導は今回、改めて行わなかった。

 4月に入ると、全県の入院者数は20人台で推移。伊勢崎市の有料老人ホーム「藤和のその」で9日に複数の感染・発熱者が確認されるなどして、22日の107人まで急増していった。

 県の要請を受けた利根中央病院は10日から、ホーム入居者ら最大10人を受け入れた。感染者の病棟や動線を分けるなどしていたが、専属的に対応していた看護師らについて18日以降に感染が判明。介助に伴う高齢患者への接触が感染リスクを高めたとみられている。

 完全な防御は指定機関でも難しかった。館林厚生病院(館林市)は3月に医師らが感染。後の検証で、患者の人工呼吸器から放出された飛沫ひまつが原因となった可能性が浮かんだ。防護具の機能は十分だったが、実際に使用する中でウイルスに触れた恐れがあるとした。太田記念病院(太田市)でも感染の疑いがある人の検体採取に携わった看護師が感染。通常の診療が続けられなくなり、地域医療が危機にさらされた。

 県はこれまでに疑似症患者を含む患者数が病床数を超えた時点はないとしている。現在170床を確保し280まで増やす考え。担当者は「第2波の規模は分からない。指定機関以外でも受け入れてもらう備えは引き続き必要」とみる。

 県内の病院では確保した病床を空け続けたり、ひとまず他の患者に充てるなどさまざま。県は国の補助事業を活用し、病床確保と院内感染対策を進める。

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