入場制限、演者がマスク… コロナ禍の文化活動 制約厳しく
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マスクと手袋を着用してビニールシート越しに受け付けをするスタッフ=シネマテークたかさき

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除され、群馬県内の芸術文化施設が「新しい生活様式」に沿った運営に頭を悩ませている。県や業界団体のガイドライン(指針)を参考に対策が求められるため入場者数が制限され、大規模イベントの開催は程遠い状況だ。出演するアーティストも厳しい制約下で表現方法を模索している。

 6日に再開した前橋市の映画館、前橋シネマハウスは客席を前後左右2席ずつ空け、通常の3分の1に制限。日沼大樹支配人は「年間を通して何本かヒットする作品があるおかげで運営できている」とした上で、「再開直後に話題作を上映すれば多くの人を集めてしまうことになりかねない」と運営の難しさを語る。

 5月29日に再開した高崎市のシネマテークたかさきは、事前予約制で1回当たり20人の入場制限を継続している。

 高崎芸術劇場(同市)は13日の県の警戒度1への引き下げを想定し、1000人規模で運営できるよう検討している。だが海外の演奏家の来日が難しいことなどから、現状では中止や延期を決める主催者が大半という。

 アーティスト側への制約も大きい。全国公立文化施設協会の指針では、出演者間の十分な間隔を空けて、表現上困難な場合を除いてマスク着用を求める。

 群馬交響楽団は「クラシック音楽公演運営推進協議会」による指針策定を待って、8月以降の公演再開を目指す。さまざまな演奏スタイルがあるオーケストラに一律にマスク着用を求めるのは難しく、楽器の種類によって間隔を空けたり、ついたてを設けるなど検証が必要だ。

 群響の松本佳祝事務局長は「間隔を空ければステージ上の人数が限られ、ついたてを置けば音の反響に影響があるかもしれない」ととする。

 演劇団体代表で、演出家の坂川善樹さん(前橋市)はドライブインシアターのように、屋外のステージを車の窓越しに観劇してもらう方法を検討。「演劇関係者は制限をかいくぐって、いかに芝居ができるか真剣に議論している」と説明した。

 染色アーティストの大竹夏紀さん(富岡市)は美術館などで検温や来館者の連絡先を把握する対応について「展覧会へ行くこと自体のハードルが高くなるのでは」と不安を口する。「コロナを機に発表の形自体が変わる。これまで以上に見る人と深く対峙たいじできる作品を作らなければ」と話した。

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