《コロナに負けない! 絶メシ店を歩く》(2)栄鵬 「昔ながら」をずっと
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得意料理の青椒肉絲を作る関栄吉さん

 回鍋肉ホイコーロー、レバニラ炒め、酢豚―。群馬県高崎市中泉町の県道高崎渋川線沿いにある「栄鵬」は、壁に貼られた手書きのメニューが味を出す昔ながらの中華料理店だ。新型コロナウイルスの影響を受けて4月以降は客数の減少に直面するが、一品料理のテークアウトを始めるなどして活路を見いだしている。「売り上げは減ったけど、常連さんが来てくれるので乗り切れている」と店主の関栄吉さん(71)は打ち明ける。

 緊急事態宣言が発令された4月。「お弁当はやってないの?」。客の一言がきっかけで、一品料理のテークアウトを始めた。店先に看板を出すと、まとめ買いしていく客もいて、予想以上の反響があった。

 嬬恋村出身の関さんは高校卒業後、東京の専門学校で中華料理を学び、1983年に現在地に店を構えた。「横綱の『大鵬』が好きだった。それと自分の名前の『栄吉』。1文字ずつとって『栄鵬』」。開店以来、本格的な味付けの料理と妻の理恵子さん(72)の明るい接客が客の心をつかんできた。

 多彩なメニューの中で特に人気なのが、嬬恋の親せきが作った野菜を使用した青椒肉絲チンジャオロース定食(950円)やナスと豚肉炒め定食(800円)。メニューの価格は消費税率が引き上げられても、ここ20年はずっと据え置いている。「なじみのお客に悪いから」だ。

 昨年2月に絶メシリストに掲載された。「絶メシの本をわざわざ持ってきてくれるお客さんもいる」とリスト入りの効果を実感していたところ、コロナ禍に見舞われた。後継者がいない状況も変わらない。「この先どうなるか不安もあるけれど、日々変わらない味を届けたい」。関さんはその思いを胸に、中華鍋を振り続ける。

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