障害者スポーツ感染予防と両立悩む 伴走、距離保てず
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 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の全面解除から1カ月近くたつ中で、障害者スポーツの関係者も活動を再開し始めた。日本障がい者スポーツ協会などは練習再開に向けた指針を作成。各団体は指針に沿った対応に努めるものの、感染した際の重篤化が心配されたり、社会的距離を保つのが難しいといった課題も残る。競技普及への影響も指摘され、関係者は感染予防対策との両立を模索している。

 群馬県ボッチャ協会の岩下浩明理事長は「アスリートの安全確保が最優先。徐々に再開していくしかない」と話す。脳性まひなどの障害を抱える選手がおり、感染した場合に重篤化が心配される。利用制限を設ける施設もあり、会場確保が難しい状況だという。

 ボッチャの講習会や体験イベントも中止に。2028年に本県で開催予定の全国障害者スポーツ大会に向け、審判員らスタッフの確保も課題となっているが、審判講習会が開けない状況が続いている。

 日本障がい者スポーツ協会医学委員会は5月、練習再開に伴う感染症対策の指針を出した。手洗い、うがいや人混みを避けるといったことに加え、「車いす、つえ、義手などの使用者は触る部分を常時消毒」「視覚障害者は触れたものを確認後、手指の消毒を」と呼び掛けている。

 障害の特性に合わせた対策も求められる。視覚障害のあるランナーや伴走者でつくるサークル「ランモード群馬」は3月から活動を休止。伴走者とランナーが互いに握り合うロープでつながると50センチほどの距離になるため、社会的距離を保つのが難しい。徐々に少人数での自主練習を始めている。

 伴走者の宮崎正法さんは「一つ一つ感染予防の課題をクリアしていきたい」と力を込めた。

 知的障害者サッカーの県選抜チームも活動を休止。関係者は「選手のレベルアップや競技普及にも影響する」と指摘する。夏場の練習再開に向け、選手が所属するチームの代表者は「スポーツをする機会と感染予防とのバランスが難しい。熱中症にも気を付けなければ」としている。

 施設も対策に追われる。障害者スポーツの拠点、ふれあいスポーツプラザ(伊勢崎市)はドライブスルー形式の検温や利用人数の制限といった対策を徹底。同施設で練習を再開したパラ水泳の奈良恵里加選手は「久しぶりに泳げて気持ち良かった。感染予防も慣れたら戸惑うことなく、安心して利用できる」と話した。

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