観光客戻る時に… 浅間山警戒レベル2 新型コロナに追い打ち
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嬬恋村と長野県小諸市の境にある黒斑(くろふ)山からの浅間山(25日付掲載)

 群馬、長野両県にまたがる浅間山について、気象庁は25日、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げた。2になるのは昨年11月以来、約7か月ぶり。火山活動の高まりに伴い、山頂火口から約2キロの範囲に影響する小噴火が起きる恐れがあるとして、噴石や火砕流に警戒するよう求めている。2キロ圏には民家などはなく住民生活に今のところ影響はないと見られるが、地元自治体は観光面などでの過度な敬遠の動きを懸念する。

 同庁によると、20日ごろから山体の浅いところを震源とする火山性地震が増え、24日は59回、25日は午後9時までに96回(速報値)発生した。監視カメラによる観測では、天候不良で確認できない時間があるものの、同時間までに噴煙の増加などの目立った変化は起きていないという。

◎麓の長野原町と嬬恋村が懸念
 群馬、長野両県にまたがる浅間山の噴火警戒レベルが1から2へと引き上げられた25日、嬬恋村と長野原町の観光関係者からは風評被害を警戒する声が相次いだ。新型コロナウイルスに伴う都道府県をまたぐ移動がようやく解除され、夏の行楽シーズンに向けて観光客の入り込みに期待が高まっているだけに、風評を抑えるために正確な情報発信に努める考えだ。出荷が始まったキャベツ農家らは火山活動を注視している。

 「新型コロナによる移動制限が解除され、これから観光客が戻って来る時だったのに。観光客から早速、心配する問い合わせがあった。風評が広がることが一番怖い」。長野原町の北軽井沢観光協会の黒岩巧会長は、正確な情報提供と冷静な対応に努めるという。

 周辺の宿泊施設では、県民に1人1泊5000円を割り引く県の愛郷ぐんまプロジェクト「泊まって! 応援キャンペーン」などの効果で予約が伸びている。嬬恋村観光協会長でペンションを経営している岡村径朗会長は、「仮に昨年のような小規模噴火があったとしても麓の施設にはほとんど影響はない。(噴火警戒)レベルが上がったことで、敬遠するお客もいるかもしれない。安全だということをしっかりと発信したい」と強調した。

 鬼押出し園(同村鎌原)の山崎浩史さんは「体に揺れを感じることもなく、噴煙も確認できない」として現地は平常通りだと強調。その上で、「これから夏のハイシーズンを迎えるので風評被害が心配。園の見学に影響はないので、安心して訪れてほしい」と呼び掛けた。

 特産のキャベツの収穫が今月中旬に始まり、同日は計約5万ケース(1ケース10キロ)を出荷したというJA嬬恋村の担当者は「噴火前の対策は難しく、見守るしかない。仮に噴火しても昨年並みであれば影響はほぼない」と今後の推移を注意深く見守る姿勢を示した。

 気象庁は同日、山頂火口からおおむね2キロ以内に影響を及ぼす小噴火が発生する可能性があるとして入山規制としたが、両町村や同JAによると、2キロ圏内には民家や道路、畑はないという。

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