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1985年の日航ジャンボ機墜落事故が発生した8月12日に、群馬県上野村の施設「慰霊の園」で行う追悼慰霊式について、同施設運営法人の「慰霊の園」が、遺族ら大勢が参列する例年通りの開催を見送り、同法人や村の関係者のみで実施することが2日、分かった。新型コロナウイルス感染拡大防止のためで、式典の大幅な縮小は初めて。遺族には自由に献花や追悼をできる時間を設ける。例年、式典の前日に行われる灯籠流しは中止される。
◎関係者10~20人ほど 慰霊登山も分散促す
全国から多くの遺族らが訪れることから、村と日航などが「密」の状態を回避するための開催方法を協議してきた。日航は1日付で遺族らに式典の縮小方針を伝える文書を送付した。
文書などによると、式典は関係者10~20人ほどの規模に縮小する見込み。慰霊の園での参拝は当日午後1~5時、遺族のみが自由献花できるようにし、一般の入場は制限する。
慰霊登山に関しては分散を促すため、例年8月12日前後に日航が手配していた登山口までのチャーターバスを、7月25、26の両日にも追加して運行。1便当たりの乗車定員を半分ほどに減らすなど密集を避ける。
尾根に続く村道や登山道は現在、台風19号(令和元年東日本台風)による被害の修復工事が進められている。20日から約1カ月間にわたって工事を中断し、登山できるようにする。ただ一部に危険箇所があるとして、日航は「新型コロナの感染防止を含め、ご遺族の安全を第一に慰霊を支援したい」とする。
8月11日に村役場前の神流川で行われている灯籠流しについても、主催する遺族団体「8.12連絡会」などが中止を決めた。
◎「やむを得ない」…遺族ら悲痛の声
日航ジャンボ機墜落事故の犠牲者をしのぶ8月の一連の行事が大幅縮小や中止となったことに、遺族や関係者は「やむを得ない」と理解を示す一方、残念がる声が上がった。
灯籠の製作などに長年関わってきたボランティア団体「ふじおか・おすたかふれあいの会」の坂上シゲヨ会長(88)=藤岡市=は、1カ月ほど前に灯籠流しの中止を知った。「遺族が話し合って決めたこと。仕方ないが、交流ができないのは寂しい」と話す。昨年の灯籠流しで、高齢の遺族らが「参加できるのは来年が最後かもしれない」とこぼした言葉が、今となっては頭から離れないという。
兄一家3人を亡くした栃木県大田原市の橋本毅さん(66)は「灯籠流しはボランティアの人たちとの交流の場だった。仕方ないのは分かっているが、残念だ」と打ち明けた。
夫=当時(29)=を亡くし、息子夫婦と毎年慰霊に訪れる大阪府豊中市の小沢紀美さん(64)は「私たちは命の大切さや安全を訴え続けてきた。感染のリスクを考えたらやむを得ない」と話した。