リモートでアニメ制作 藤岡出身の荻野さん企画 京都芸大新入生の11人
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荻野さんらが制作したアニメーションの一場面
「作ったアニメについてコメントをもらったり、地元から反響があったりしてうれしい」と話す荻野さん

 今春、京都芸術大に入学した群馬県藤岡市出身の荻野樹さん(18)が、一度も直接会ったことがない仲間とリモートで制作した短編アニメーション作品「ぼくらのみらい」が関心を集めている。未来に生きるきょうだいを主人公に疫病退散に御利益があるとされる妖怪「アマビエ」や「自粛警察」などコロナ禍で社会問題化した話題を取り上げている。

 制作したのは4月に同大に入学した学部や学科が違う新入生11人。きっかけは京都市内で1人暮らしを始めたものの、外出自粛などで人に会えず孤独を感じていた荻野さんが「同じような境遇の新入生の助けになれば」と企画し、会員制交流サイト(SNS)で参加を呼び掛けたオンライン懇親会だった。

 集まったメンバーがビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」で交流を重ねる中、荻野さんが「僕たちに何かできることはないだろうか」と画面上で問い掛け、アニメ制作への挑戦が決まった。

 脚本とアニメーションの2班で分担し、それぞれの自宅で作業。登場人物の声はスマートフォンのボイスメモに吹き込んで編集した。制作した原画は70枚以上に上る。オンライン会議で互いの進捗状況を確認し合う「完全リモート」で制作し、わずか3週間で8分48秒の紙芝居風アニメに仕上げた。

 作中ではマスク着用や不要不急の外出自粛を呼び掛け、当時ニュースで取り上げられていた「自粛警察」や「コロナ疲れ」といった話題を盛り込んだ。店舗の入り口に「こんな時に店を開けないで」と紙が貼られ、登場人物が「いろんな事情の人がいるから互いに思いやることが大切」「正義感や先入観で決めつけることって良くないよね」と指摘するシーンもある。

 荻野さんは「人によって解釈が異なる難しい話題だったが、若い世代が大事と思うことをしっかり発信したかった」と振り返る。

 大学の授業は8月下旬までオンラインで行われる予定。舞台芸術専攻の荻野さんは「4年間でさまざまな経験を積み、将来は人を笑顔にできる仕事に就きたい」と話し、仲間とともにキャンパスで学べる日を心待ちにしている。

 アニメは動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。メンバー共同のツイッターアカウント(@uryu_ausdruck)に「誹謗ひぼう中傷」をテーマとするイラストや楽器演奏動画なども投稿している。

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