「突然訪問型」特殊詐欺に注意 電話なし・警官名乗り家を訪問
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
群馬県警高崎署が6月30日に逮捕した男から押収したハンチング帽(左上)、指示役との連絡に使用したスマートフォン(右上)、キャッシュカードとすり替えたトランプ(下)
群馬県警は詐欺被害防止のため、犯人の手口などを再現した動画を配信し警戒を呼び掛けている(6月17日付より)

 群馬県内で6月以降、不審な電話がないまま、急に自宅を訪問してきた犯人に現金やキャッシュカードを盗まれる「突然訪問型」の窃盗事件(特殊詐欺)が相次いでいる。私服警官を装ってキャッシュカードの提示を求め、被害者が信じてしまうケースが多い。不審な予兆電話をしないことで、対策の裏をかこうとしている可能性がある。群馬県警は新たな手口として警戒を強めている。

■偽の警察手帳
 「ここ1カ月間で増えてきた。手口が変わってきている」。県警幹部はこう分析する。県警によると、突然訪問型でキャッシュカードを盗まれる被害は未遂を含め、6月中旬~今月9日に15件以上発生。前橋、高崎などが目立つという。

 県警が公表している最初の被害は6月16日。警察官を名乗る男が前橋市の女性(80)方を訪れ、「詐欺の犯人が振込先にあなたの口座を指定している。キャッシュカードを確認する」とうそをついた。女性はカード2枚を用意し、目を離した隙にすり替えられて盗まれた。口座から現金計210万円が引き出された。26日には高崎市の女性(81)が警察官を名乗る男にだまされ、通帳とキャッシュカードを盗まれた。

 こうした中、高崎署は30日、警察官を装い、同市の別の女性(81)方でカードを盗んだとして、窃盗の疑いで男(21)を逮捕した。

 捜査関係者によると、男はグループの指示役に促され、都内で偽の警察手帳を調達。女性方のインターホン越しに手帳を提示したという。男は県内で少なくとも5、6件、神奈川県などでも数十回にわたり犯行を繰り返していたとみられる。ただ、男の逮捕後も被害が相次いでいるため、県警は犯人が他にもいるとみて捜査している。

■待ち伏せ恐れ
 なぜ「突撃訪問型」の手口が出てきたのか。県警幹部は「犯行グループが『だまされたふり作戦』を恐れているのではないか」と分析。予兆電話を不審に思った当事者が通報し、捜査員が自宅などで待ち伏せする「だまされたふり作戦」により、県警は相次いで「受け子」を逮捕している。

 別の捜査幹部は「電話で資産状況などを探ったり、だましたりする『かけ子』を削ることで、グループが収益増強を図っている可能性もある」とみる。

 県警は、強盗など凶悪事件につながる恐れもあるとして警戒感を強め、「警察官が自宅を訪れてキャッシュカードの提示を求めることはない」と注意を促す。予期せぬ来訪者には安易にドアを開けず、インターホンやドア越しでの対応が望ましいとして「不審に思ったら110番通報してほしい」と呼び掛けている。

◎カードすり替え100万引き出される 伊勢崎の91歳男性
 8日午後2時ごろ、伊勢崎市の男性(91)がキャッシュカードを盗まれたと群馬県警伊勢崎署に届け出た。口座から現金100万円が引き出されており、同署は窃盗事件として捜査している。

 同署によると、男性は8日午後0時半ごろ、警察官を装う男から「詐欺の犯人を捕まえたら、あなた名義のキャッシュカードを持っていた」「口座を凍結する必要がある」などとうその電話を受けた。この通話の最中に自宅を訪れた警察官を名乗る男にカード3枚を別のカードとすり替えられ、盗まれた。

 自宅を訪れた男は20歳代で身長約165センチの中肉。黒髪の短髪で白のワイシャツを着用。ビジネスバッグを持っていた。

◎警官装い突然訪問 窃盗未遂の男逮捕…前橋東署
 警察官を装い突然訪問してキャッシュカードなどを盗もうとしたとして、群馬県警捜査2課と前橋東署は9日、窃盗未遂の疑いで、自称東京都の無職、早川竜馬容疑者(25)を逮捕した。

 逮捕容疑は仲間と共謀して9日午後7時25分ごろ、前橋市の女性(82)方を訪れ、「口座から現金が引き出されそうになった。キャッシュカードと通帳を確認したい」とうそをつき、キャッシュカード1枚と通帳を盗もうとした疑い。

 同署によると、容疑を認めている。

 女性が「警察官を名乗る男が自宅に来て、封筒にキャッシュカードと通帳を入れて渡したが、受け取らず帰った」と通報。近くの駅付近で同署員が職務質問するなどし、逮捕した。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事