6隊員の冥福祈る 県防災ヘリ墜落事故 吾妻広域消防本部に慰霊碑
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
慰霊碑に花を手向ける遺族会の田村会長

 群馬県防災ヘリコプター「はるな」が2018年8月、中之条町の山中に墜落して搭乗していた9人全員が死亡した事故で、所属する職員6人を失った吾妻広域消防本部は、6月に移転した新庁舎(東吾妻町植栗)の敷地内に慰霊碑を建立し、11日に除幕式を開いた。悲惨な事故の発生から2年となるのを前に、遺族と消防関係者、吾妻地域の首長ら計約50人が犠牲となった消防隊員の冥福を祈った。

 慰霊碑は高さ2.65メートルで、中央に六つの円形の石を配置。墜落事故で亡くなった田村研さん、蜂須賀雅也さん、水出陽介さん、黒岩博さん、塩原英俊さんと県防災航空隊に派遣中だった岡朗大さんのみ霊が、天高く昇っていく様子を表現した。高さの異なる左右の柱は、6人が地域住民の安全のために尽くしたことを示す「人」の文字と、冥福を祈って合掌する手をイメージしている。

 除幕式では、事故発生現場近くの横手山方面に向かって全員で黙とうをささげ、慰霊碑に花を手向けた。吾妻広域町村圏振興整備組合理事長の伊能正夫中之条町長は「二度とこのような悲惨な事故を起こさないよう、また風化させないようにしたい」と哀悼の言葉を述べた。

 塩原さんの父、喜好さん(71)は「息子のために何か形に残るものを造ってあげたいと思っていたので、完成して良かった」と安堵あんどする一方、「最初の1年は息子を失った悲しみや憤りが大きかった。最近は息子が生きていたらと考えることが多い。思い出は何年たっても忘れることはない」と、いまだ癒えない悲しみを語った。

 県が県消防学校(前橋市)と現場近くの渋峠(中之条町と長野県境)の2カ所に整備するとしている慰霊碑については、建立時期が明確に示されておらず、遺族の間に不満が募る。黒岩さんの父、武男さん(75)は「遺族の親たちは高齢になり明日にでも歩けなくなるかもしれない。一日も早く渋峠に慰霊碑を造ってほしい」と要望した。

 田村さんの父で遺族会長の富司さん(79)は「(研さんの)母親にも慰霊碑を見せてあげたかったが、入院していて来ることができなかった」と寂しそうに話した。今後に関し、「(同消防本部には)形に残る立派なものを造ってもらったが、やはり渋峠に慰霊碑ができてようやく一段落できる。県には現場につながる登山道の整備とともにしっかりと進めてもらいたい」と注文した。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事