《狙われる高齢者》コロナ禍の啓発 手口共有へ情報発信
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特殊詐欺への加担を警告する県警公式ツイッター

 「直接触れ合うような啓発活動は自粛せざるを得ない」。新型コロナウイルスの感染拡大防止が求められる中、特殊詐欺予防を担当する群馬県警の幹部は、啓発活動の在り方に頭を悩ませる。

 新型コロナの影響で、これまで主流だった街頭や会合での防犯啓発は、「密」になりやすいため実施しにくい。毎年6月に高崎市の大型ショッピングモールで行ってきた防犯フェスティバルは中止に。警察官によるチラシ配りや自宅を訪問しての注意喚起も難しい。

 一方、県内では最近、事前の電話なしに警察官を名乗る犯人が高齢者宅などに現れ、キャッシュカードを盗もうとする「突然訪問型」が相次ぐ。新たな手口が次々と繰り出され、「(犯人との)いたちごっこ」(県警幹部)の状況だ。手口や被害状況に関し、継続的な情報提供と啓発が欠かせない。

 そこで、県警は「家族の絆」を合言葉に、ツイッターや動画投稿サイト「ユーチューブ」を使う「新たな啓発活動の形」を模索している。

 ユーチューブでは「上州くんのNO!詐欺!Labo!」と題し、2本の動画を制作した。不審な電話から、警察官をかたる犯人がキャッシュカードをすり替えるまでの手口について、県警職員が事件を再現する形で演じる。「1本の電話から財産を失う可能性がある」と訴える。

 スマートフォンやパソコンに不慣れな高齢者は多いが、県警は「詐欺を防ぐのは『家族の絆』。家族で見てもらい、注意を呼び掛けてほしい」と説明する。子や孫に向けた情報発信を通じて家族間での意識共有を促したい考えだ。

 並行して、詐欺グループの勧誘に乗ってしまいかねない若者らに、犯行への加担を思いとどまってもらうための取り組みも6月から始めた。

 会員制交流サイト(SNS)上には「高額アルバイト」などをうたい、現金などの受け取り役「受け子」や口座からの引き出し役「出し子」の募集が書き込まれることがある。県警はこれを逆手に取り、ツイッター上で不審な書き込みを発見した場合、県警公式アカウントから「アルバイトではなく犯罪です」「詐欺は10年以下の懲役です」などと警告する。

 若者が軽い気持ちで詐欺グループに接触し、犯行に加担、脅されるなどして脱退できないケースも少なくない。県警は「人生が台無しになる。絶対に接触しないでほしい」としている。

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