小栗上野介功績広く 元高校教諭の渡辺さん研究成果
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小栗上野介の研究成果をまとめた渡辺さん

 江戸末期の幕臣で、群馬県高崎市倉渕町で非業の死を遂げた小栗上野介忠順ただまさ(1827~68年)の功績にふさわしい評価を広めようと、元県立高日本史教諭で高崎学博士の渡辺丈夫さん(68)=高崎市中泉町=が小栗や幕末の歴史にまつわる研究成果をまとめた。現在は通信制高校の非常勤講師を務めており、「勝者によってつくられた日本近代史は改められるべきだ」と訴える。

 渡辺さんは2011年に退職後、ご当地検定「高崎学検定」に挑戦したのを機に小栗について学び始めた。小栗は遣米使節の一人として初めて米国を公式訪問したり、横須賀製鉄所の建設を提言したりと数多くの功績がありながら、新政府軍に処刑され、教科書にもほとんど取り上げられていない。「これだけの人物が日本の公教育で抹殺されていたのがショックだった」という。

 小栗に関係する文献や書籍は「ほぼ全て」目を通し、ゆかりのある倉渕町や神奈川県横須賀市を訪問。新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛期間を利用し、幕末の動乱と共にあった小栗の生涯や功績をA4サイズ50ページにまとめた。

 「小栗ら幕臣が近代化の設計図を描いたにもかかわらず、明治政府が全て実現したという虚構が教えられてきた。150年たって日本が行き詰まっている今、明治以前から学ぶことは多いはずだ」と熱く語る。

 2016年、3回目の検定挑戦で高崎学博士となり、市民向け講座の講師を務める機会も出てきた。「さまざまな世代に正しい歴史を」と、研究成果は講座や授業で活用するという。

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