《コロナ現場発》孤独死 発見遅れの可能性 遺族なしの火葬増加
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4月に孤独死した男性の家の庭。雑草が伸びていた=7月下旬、富岡市

 新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、孤独死した人の発見が遅れる可能性が高まっている。接触を避けるため、感染が広がる前は当たり前だった日常生活の範囲や他者との交流が限られ、人間関係が濃密な地域でも発覚の機会が減る恐れが浮上。孤独死した人の火葬に、県外の親族が来られないケースも増えている。

◎異変気付き死の1カ月後に発見
 群馬県富岡市の中心市街地近くで1人暮らしだった60代男性が4月、自宅内で亡くなった。近所の人が異変に気付き、判明したのは1カ月ほど後の5月だった。

 関係者によると、男性はもともと病気を抱え、家にこもりがちだった。一方、現場は住宅街の一角でアパートなどもあり、普段なら人通りが少ないとはいえない。折しも緊急事態宣言による不要不急の外出自粛が呼び掛けられた時期。関係者は「新型コロナによる行動変容がなければ、もう少し早く見つけられたかもしれない」と推測する。

 隣の甘楽町では6月、1人暮らしだった70代男性が自宅で亡くなった。知人が見つけたのは約1週間後。生前は集団で練習するスポーツに参加していたが、当時は自粛され、集まる機会がなかった。競技を通じて男性を知る人は「練習があったら(男性が)来ないことを不思議に感じ、異変にもっと早く気付けたのではないか」と振り返る。

 孤独死を巡っては、新型コロナで遺体の取り扱いにも変化が起きている。

 群馬県警や各市町村などからの依頼を受け、孤独死した人の火葬や、遺体などが腐乱した部屋の「特殊清掃」を請け負うことが多い東花(高崎市)。新型コロナのため県外など遠方に住む親族が来られず、郵送で委任状をやりとりし、火葬を済ませてお骨だけ親族に送るというケースが増えているという。死亡届も代行して提出している。

 「例えば、遠方に暮らしている70~80代の人が『基礎疾患もあって感染すると困るので葬儀には立ち会えない』と伝えてくる場合が多い」と担当者。都内などで感染が再拡大していることを踏まえ、今後もこうした傾向が続くとみる。(五十嵐啓介)

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