安全運行誓う 県防災ヘリ「はるな」墜落事故2年 草津で追悼式
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 群馬県防災ヘリコプター「はるな」の墜落事故で死亡した県防災航空隊員と消防職員9人の殉職者2周年合同追悼式(県、吾妻広域町村圏振興整備組合、県消防長会主催)が9日、草津町の草津音楽の森国際コンサートホールで開かれた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小して実施され、遺族や消防関係者ら71人が殉職者の冥福を祈り、事故の再発防止や安全運航に向けて決意を新たにした。

 式には、事故で亡くなった消防職員7人の遺族43人と、消防関係者や県職員、ヘリの運航を委託されていた東邦航空(東京都)の社員ら28人が参列した。参列者は9人の遺影が飾られた祭壇に向かって約1分間黙とうをささげ、献花した=写真

 「はるな」は2018年8月10日、中之条町の山中に墜落し、搭乗者全員が死亡。県防災航空隊に派遣されていた2人を含む7人が消防職員で、他の2人は東邦航空の社員だった。翌日に全線開通を控えた「ぐんま稜線りょうせんトレイル」の視察のため飛行していた。

◎慰霊碑、登山道「早く」 事故から2年 遺族、不満募らす
 県防災ヘリコプター「はるな」の墜落事故から2年。犠牲となった9人の合同追悼式が草津町で開かれた9日、出席した遺族は心のよりどころとなる慰霊碑の建立や墜落現場への登山道整備が遅々として進まない現状に不満を募らせた。県に対し、「(現場近くの)渋峠に慰霊碑を造るのは遺族全員の思い。来年8月までの完成を強く要望したい」と求めた。

 式典会場には県防災航空隊長だった小沢訓さん、同隊員の岡朗大さん、吾妻広域消防本部の田村研さん、蜂須賀雅也さん、水出陽介さん、黒岩博さん、塩原英俊さん、運航委託先の東邦航空の社員で県防災航空隊機長の天海紀幸さん、同隊整備長の沢口進さんの計9人の遺影が飾られた。

 山本一太知事は「二度とこのような事故を起こさないため、防災航空体制の再整備に全力を尽くし、県民の安全安心のため、しっかりと取り組んでいくことを固く誓う」と追悼の辞を述べた。

 式典後、取材に応じ、遺族が求める慰霊碑の建立について「ご遺族の意向を確かめ、できるだけ早く進めたい」と説明。登山道については「現地に行くまでに何カ所か難所がある。どのような形で改善できるのか検討したい」とした。いずれも具体的な時期は明言しなかった。

 また、慰霊登山を9月ごろ実施する可能性を示唆。遺族の意向を確認し、実施するかを決めるという。

 登山道整備などの具体的な方針を示さない県に対し、遺族からは不満や怒りの声が上がった。遺族会長を務める田村富司さん(79)は「県と交渉を続けてきたが、完成したものは一つもない。山本知事からはまだ正式に謝罪を受けていない。登山道などについて話し合いの場もない。機会を設けてほしい」と注文した。

 同会員の蜂須賀保夫さん(69)は献花の際、遺影に向かって「(慰霊碑などが早くできるように)どうにかしてくれよ」と心の中で呼び掛けた。「一緒に暮らしていた子どもが奪われた。慰霊碑の建立や登山道の整備など、やるべきことはしっかりとやってほしい。本当に悔しい」と話した。

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