《コロナ現場発》フードバンクへの相談増加 第2波に備え食品募る
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寄付を受けた食品の仕分け作業=前橋市のフードバンクまえばし

 新型コロナウイルスの感染が拡大した4月以降、余った食べ物を引き取り必要な人に無料で提供する「フードバンク」への相談が増えている。コロナの影響で休業や失業した人、子どもの休校で3食作る負担を抱えた親たちのよりどころとなっているためだ。第2波で同じような苦境が想定される中で、フードバンクは対策を模索し始めている。

◎「ライフライン止まった」の相談も 5月は平時の約4倍に
 「もう1週間食べていない」「手持ちが500円しかない」。群馬県のリホームアカデミー(高崎市)には、こうした相談が今も寄せられ続けている。同団体の岩崎武栄代表(47)は「一時と比べると数は減ったが、ライフラインすら止まっているなど切実な相談が増えてきた」と訴える。伊勢崎市のとまり木の会でも「食べ物を受け取って涙を流す人もいる」という。

 政府が緊急事態宣言を出した4月以降、その日の食事にすら困る困窮者が増加した。職を失った人や休業で減収した人、休校した子どもと過ごす親たちが、行政や社会福祉協議会に紹介され、フードバンクを訪れた。フードバンクの1回当たりの支援期間は通常3カ月間だが、コロナ禍の長期化で支援の延長を求める人も目立つ。

 フードバンク自体も苦境に立った。5月にフードバンクまえばし(前橋市)が食品を提供した件数は165件で、平時の約4倍に上った。減収した人の相談が急増し、備蓄の食品が不足する状態に陥った。通常1回当たり3~4週間分提供している食料を、1~2週間分に減らすなど対応を迫られ、市の広報を通じ「家庭などで余っている食品の寄付をお願いします」と協力を呼び掛けた。

 新型コロナの第2波が想定される中、同じような状況に陥ることを警戒する声は多い。フードバンク桐生(桐生市)は「貸し付けや特別給付金を使い切ったとき、また利用者が増えるのでは」と身構える。

 対策を講じるフードバンクも増えている。みどの福祉会(高崎市)は、運営する子ども食堂のつながりを使って地元企業や近隣住民に働き掛け、余った食品の確保に動きだした。フードバンク北関東(館林市)は、ドライブスルーや宅配での配布を実施。ただ着払い料金が払えないといった声があり、接触機会を減らした対応の模索は続く。

 新聞や広報を通じた呼び掛けが功を奏し、6月以降は寄付の申し出が増えつつある。フードバンク北関東を運営するNPO法人三松会の小林直美さん(43)は「お米や、すぐに食べられる缶詰めやレトルト食品など、余っている食品の寄付をお願いしたい」と呼び掛けを続けている。(赤尾颯太)

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