生きた日々 道徳教科書に 闘病の末 亡くなった太田の小学生姉弟
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道徳の教科書を持つ俊秋さん(左から2人目)と恵子さん(同3人目)。歩希さんと光希君が亡くなった時の生品小校長の土屋さん(右)と教頭だった小須田美枝子さん

 群馬県太田市の生品小に通い闘病の末、2014年12月と15年3月に相次いで亡くなった大河原歩希あゆきさん=享年(10)、弟の光希みつき君=同(8)=の足跡をまとめた「のぞみ―光の中を歩んだきょうだい」が、本年度の教育出版(東京)の小学5年の道徳教科書に収録された。同市をはじめ全国の多くの学校でこの教科書が採用されている。家族や教員、友達に支えられながら明るく、懸命に生きた2人の物語を通して、命や友達を思いやる大切さを訴え掛ける。

◎友や家族との日々 命の大切さを6ページに
 歩希さんは若年性関節リウマチ、光希君は間質性肺炎にかかった。歩希さんは足の付け根や手首、指などが痛くなり、光希君は息が苦しくてせきがとまらなくなり高熱が出ることもあった。

 2人は仲良しで、学校が大好きだった。歩希さんは1人でうまく歩けなかったり、筆箱を開けるのも大変だったりしたが、父の俊秋さん(50)、母の恵子さん(41)、小学校の教諭、友達らが支えた。

 光希君は1年生の途中から病気が悪化し、酸素吸入が欠かせなくなった。教室に機械を置き、酸素マスクを口に当てながら学校生活を送った。活発に動き回るクラスメートも、機械の周りでは慎重に行動した。

 2人は友達に感謝し、周囲を思いやる気持ちを持ち続けた。みんなと同じことができるようにと、何事にも一生懸命取り組み、歩希さんは鍵盤ハーモニカを吹けるようになり、運動会の徒競走を完走した。入院していた光希君は亡くなる3週間前、友達に会いたいと登校を希望し、みんなと歌を歌うことができた。

 道徳の教科書には、2人が一生懸命に生きたことが6ページにわたって紹介されている。歩希さんが入学式でランドセルを背負っていたり、光希君が亡くなる前に学校で友達に囲まれたりしている様子を、俊秋さんが描いたイラストで収録している。

 掲載した文章は、2人が亡くなったときの同校校長で東京福祉大教授の土屋修さん(61)が協力した。かつて両親と相談し、「希―光の中を歩んだ姉弟」の冊子をまとめたことがあり要約した。出版社の担当者は「2人とも学校生活が好きで、みんなで支え合うという点や生命の尊重という観点から素晴らしい教材」と話している。

 俊秋さんと恵子さんは「教科書に収録されたことで、2人のことを、たくさんの人に知ってもらうことができてうれしい。何げない毎日が、どれほどかけがえのないものか忘れないでほしい」と呼び掛けている。

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