豚の盗難 4市670頭超 前橋1業者で400頭被害
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子豚が盗まれたものと同じ型の豚舎=前橋市(24日付より)

 群馬県内の養豚場で豚が相次いで盗まれている事件で、これまで確認された被害は前橋、伊勢崎、太田、館林の4市で子豚を中心に計670頭に上ることが24日、群馬県警のまとめで分かった。被害は少なくとも7回にわたり、被害総額は数千万円に上るとみられる。前橋市内の養豚場では400頭超の被害があり、経営する業者が同日、前橋東署に被害届を提出したことも判明。県警は窃盗事件として捜査している。

◎牛やニワトリも盗難被害 栃木でも確認 組織的犯行か
 県警によると、被害は7月上旬以降に目立ち始めた。前橋市内では北部の養豚場など3カ所から計約160頭が盗まれ、太田市でも8月上旬、一晩で約50頭が盗まれる被害があった。いずれも夜間に、主に生後数カ月の子豚が狙われたという。一度に多くの頭数が盗まれたケースもあり、県警はグループによる組織的な犯行の可能性もあるとみて捜査している。

 新たに400頭を超える豚の盗難被害が判明した前橋市の養豚場では、出荷時期に当たる生後140日、体重120キロほどの豚に加えて、生後90日、体重40キロほどの若い豚も盗まれた。被害額は計2000万円以上という。経営者の男性は、被害に気付いた7月までに数カ月にわたって被害に遭っていたとみられると説明。「巧妙で悪質だが、ものすごく手際が良い。被害に気付いていない同業者もいるかもしれない」と警鐘を鳴らす。盗難被害の発覚後、養豚場に防犯カメラを設置し、パトロールもして警備態勢を整えたという。

 また、部外者が対策も取らずに侵入することで、病気感染のリスクも高まるとして、「ASF(アフリカ豚熱)のような伝染病が持ち込まれた場合、市内だけでなく県内の養豚業全体が壊滅的な打撃を受ける」と危機感を強めている。

 県警によると、豚以外にも、館林市と邑楽郡では子牛が計2頭、伊勢崎市ではニワトリが28羽盗まれる被害が確認されている。このほか、栃木県足利市内でも6月下旬~8月下旬にかけて、2軒の農家から子牛計6頭が盗まれていた。

 JA全農ぐんまや県畜産協会によると、夜間に人がいない時間帯に盗まれたケースが多いとして、文書や短文投稿サイト「ツイッター」を通じて経営者らに注意を呼び掛けている。

 JA全農ぐんまの担当者は「前代未聞の事態。対策もなかなか難しいのが現状で、注意喚起を呼び掛けるしかできない。犯人が早く捕まってほしい」と話している。

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