被告に無期懲役判決 前橋地裁「殺害する意図推認」 沼田の書店の強盗殺人
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 昨年10月に群馬県沼田市の書店で男性店員(59)が殺害され現金などが奪われた事件で、強盗殺人などの罪に問われたみなかみ町月夜野、無職の男(29)の裁判員裁判の判決公判が31日、前橋地裁で開かれた。水上周裁判長は「2カ所の致命傷から、殺害する意図を推認できる」として殺意を認定し、求刑通り無期懲役を言い渡した。

 判決理由で水上裁判長は争点の殺意について、もみ合った際にナイフが刺さったする被告の主張に対し、胸と首の刺し傷は一直線で深く「もみ合ったことと整合しない」と指摘。「致命傷となる傷が二度も偶然にできるとは考え難い」とし、暗闇で刺さったことに気付かなかったとの主張を否定した。

 また、男性の右頬の傷は、死亡直前か死後に意図的に刺されたものだと認定。死後に店内を物色し、レジや商品棚から現金やゲーム機を奪っていることから「殺害を意図していたことと整合する」と説明。犯行前から殺意があったとは断定できないものの「(刺した時の)殺意は強い」と結論付けた。


 量刑理由では、事前にインターネットで強盗に関する記事を調べたり、店舗を下見したりした点を重視。「被害者の苦痛や恐怖、無念は想像するに余りある」と非難し、「(金目当ての)身勝手な犯行動機であり、酌量減軽し、有期懲役刑に処すべき事案とはいえない」とした。

 判決が言い渡されると、スーツ姿の被告は、男性の妻や息子に向かって頭を下げた。

 判決によると、被告は昨年10月14日午後9~11時55分ごろ、同市高橋場町の書店「レン太くん」の南側出入り口から侵入し、男性の首や胸を大型ナイフで突き刺して殺害し、店内から現金4万4300円とゲーム機など9点(約18万8000円相当)を奪った。

 被告弁護人は判決後の取材に、「不本意な部分もあるが、(裁判員らに)しっかり検討していただいた」と述べた。被告の意向で控訴しない方針だという。

◎「本当のこと教えて」遺族コメント

 沼田市の強盗殺人事件で犠牲となった男性の妻は31日、弁護士を通じてコメントを公表した。コメントは次の通り。

 判決の結果は、息子たちと一緒に主人のお墓に報告に行きたいと思います。判決が犯人の殺意を認めてくれたのは良かったですが、私たち家族は、犯人が主人にどんなことをしたのか、主人はどのようにして亡くなっていったのかを犯人から聞きたくて裁判に参加したのですが、それはかないませんでした。本当のことを教えてほしいという気持ちは、これからも消えないと思います。

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