日航機事故直後に制作の鎮魂歌 大阪の武田さんが節目迎え公開
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武田さんが制作した「御霊よ安らかに眠れ」

 平和を願う曲などを多く手掛けている作曲家、武田朱仙(本名・武田圭史)さん(84)=堺市=が、1985年に群馬県で発生した日航ジャンボ機墜落事故の悲しみを表現した鎮魂歌「御霊よ安らかに眠れ」を公開した。事故直後に作詞作曲し収録していたが、遺族感情を考慮し公開を控えていた。事故から35年の節目を迎え、武田さんは「自分も先が長くない。元気なうちに関係者に思いを伝えたい」と話している。

◎遺族の思い考え公開控える 節目を機に思い伝える
 武田さんは、東京大在学中に作曲家、山田耕筰に師事。これまでに1000曲以上を書き、うち約100曲が戦争や災害で犠牲になった人たちのための鎮魂歌という。

 武田さんは事故直前、都内で日航の乗務員だった兄と会っていた。午後6時すぎ、兄が上空を通り過ぎる飛行機を見上げて「この時間に、この場所を通る便はない。事故かもしれない」と話したという。その後、ニュースで123便が墜落したことを知った。

 事故機の高浜雅己機長とは同い年だった。「機長のプレッシャーは相当だっただろう。気付いたら歌詞とメロディーが浮かんでいた」。事故から約2週間で曲を完成させた。

 鎮魂歌は3番まであり、ゆったりとした曲調で「御霊よ安らかに眠れ」と犠牲者への鎮魂の祈りから始まる。続いて、自身が見た123便の姿を「陰りなき 真夏の空に荒れ狂う 魔性の嵐 ジャンボ機あわれ」と表現。中盤から激しいメロディーで悲壮感と憤りを込めている。

 35年間公表してこなかった理由については「遺族の方たちの思いを考えたら、簡単には出せなかった」と語る。しかし、自身の悲しみを共有することで、遺族の慰めや励ましになるのではないかと考え、公表を決意した。

 「曲を通じて鎮魂の祈りを届けたい」と武田さん。希望する関係者に無料でCDを提供する。

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