《コロナ現場発》重症心身障害児・者の施設 面会制限 わが子遠く
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 知的障害と身体障害が重複している重症心身障害児(者)のための入居施設では、面会制限など新型コロナウイルス感染症への厳戒態勢が続いている。人工呼吸器を装着している人もおり、万一の感染時には重症化が強く懸念されるためだ。入所する子どもと半年近く会えずにいる親もいて、当事者は日常とは程遠い日々を余儀なくされている。施設側も家族らの要望をかなえようとオンラインを活用するなど、感染予防との両立を模索している。

◎重症化リスクでオンライン活用
 「お父さんが声を掛けると反応するんです」。息子が重症心身障害児(者)施設に入所する県央地域に住む女性は、オンラインのビデオ通話の様子を振り返り、目を細めた。息子は医療的ケアが必要で、新型コロナに感染すれば重篤化の心配もある。オンラインや窓越しの面会はできているが、そばに寄り添い、手を握ったり頬をなでたりすることはかなわない。

 緊急事態宣言解除後、県内でも徐々に経済や社会の活動が再開されつつある。だが女性の息子が入所する施設のように、感染した際のリスクが高い福祉施設では面会制限を設けるなど気を抜けない日々が続く。

 女性は「息子が体調を崩しても、電話で職員から様子を聞くことしかできず、不安が募る。もともと社会に埋もれてしまいがちな子どもたち。この事実を知ってほしい」と訴える。

 入所する施設ではインフルエンザ流行時にも面会が休止される場合があるというが、「今回はいつ日常が戻るか分からない…。先の見えない不安がある」と声を落とす。「施設の職員の方の大変さも分かる。コロナさえなければ」。息子との再会への思いが募る。

 施設側も対応に苦心している。みどり市の「療育センターきぼう」は3月から中止していた面会を、時間や人数の制限を設けながら6月に一時再開した。だが県の警戒度が再び上がって以降はガラス越しの面会に限定している。担当者は「(感染防止に)気を付けながら行っていきたい」と気を引き締めている。

 高崎市の重症心身障害児(者)施設「はんな・さわらび療育園」では、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使った面会を行っている。担当者は「ラインでも家族の声掛けや顔を見られることで、利用者の反応もとてもいい」と意義を説明する。その上で「利用者の安全や健康を第一に考えると、オンラインでの面会を続けていかなければ」と理解を求めている。(浦野葉奈)

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