御巣鷹への村道 通行止め一時解除 彼岸登山の遺族へ配慮
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寄付されたつえ約340本に感謝する黒沢さん

 昨年10月の台風19号で被災し、通行止めとなっている群馬県の日航ジャンボ機墜落事故現場「御巣鷹の尾根」(上野村楢原)へ向かう村道について、村は18日までに、規制を19~25日に一時解除し、遺族らが慰霊登山をできるようにすると決めた。尾根周辺でも復旧工事を続けているが一時中断し、彼岸時期に登山する遺族らに配慮し、静かな慰霊の時間を確保する。

◎昨年の台風19号で被災 先月下旬から土砂撤去作業
 台風による被災や新型コロナウイルスの影響で、今年は登山できる日が限られた。尾根は例年通りの4月29日に開山したが、復旧工事のため、村と公益財団法人「慰霊の園」(理事長・黒沢八郎村長)が5月9日から入山を規制。7月20日から規制を解除したが、新型コロナ感染拡大防止などの観点から、遺族と関係者のみが入山できる日程を同25、26両日と8月11~13日に設けた。

 事故発生から35年を迎えた同12日の慰霊行事を終えたため、同21日からは登山口の約10キロ手前にバリケードを設置。村道に残っていた土砂の撤去作業などを行ってきた。

 村によると、今月19日からの解除は、登山できる日数が限られたことや、新型コロナの影響で7、8両月の登山を自粛した遺族への配慮から決定。遺族に対しては、日航が規制解除の日程を既に文書で通知しているという。

 25日午後5時まで通行可能。その後は来年4月28日まで通行止めとし、登山口付近の崩れた斜面の本格的な復旧工事などに順次着手する方針。規制解除については、あらためて村ホームページなどで告知する。

 黒沢村長は「ご遺族が慰霊できる機会をできるだけ設け、その後は迅速な災害復旧に努めていきたい」と説明している。

◎「高齢遺族の支えに」…匿名でつえ340本寄付 管理人の黒沢さんが感謝
 「御巣鷹の尾根」に登る遺族らに使ってほしいと、匿名で登山用のつえ約340本の寄付が寄せられた。尾根の管理人、黒沢完一さん(77)は「ありがたく置かせていただく」と感謝。つえは登山口に順次置かれ、高齢化が進む遺族の支えとなる。

 黒沢さんによると、事故発生日の8月12日を目前にした同月上旬、静岡県から尾根を訪れた男性が、登山口付近に大量のつえをまとめて置いた。その後、尾根の中腹にある山小屋にいた黒沢さんの元を訪れ、名乗らずに「つえを置いてきたので、慰霊登山者のために使ってほしい」と話したという。

 つえは手製とみられ、丁寧に削られるなどしている。黒沢さんは「相当の時間と手間をかけて作られたのではないか。親切心を事故の風化防止に生かしていきたい」としている。

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