高崎の養豚場でCSF 5400頭の殺処分を開始 感染経路究明急ぐ
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殺処分のため養豚場へ向かう作業員(群馬県提供)=27日午前

 群馬県高崎市内の養豚場でCSF(豚熱)に感染した子豚が確認されたことを受け、群馬県は27日、この養豚場が飼育する全ての豚約5400頭の殺処分を本格的に始めた。CSFウイルスの拡散を防ぐため、24時間体制で作業する。殺処分と埋却、施設の消毒といった一連の防疫措置を終えるまでに1週間程度かかる見通し。国と県は感染経路の究明を急ぐ。

 県によると、殺処分は26日夜から始まり、27日は県職員や自衛隊員ら約200人体制で作業した。同日午後3時までに、全体の2割に当たる1120頭を処分した。

 CSFは人にはうつらず、感染した豚の肉を食べても健康に影響はない。

◎野生動物の防止柵や消毒ポイントの設置…抑止に力
 高崎市内の養豚場でCSF(豚熱)感染が判明し、全国有数の養豚県である群馬に衝撃が走った。県は封じ込めに追われ、現場の農家は不安を募らせる。

 「ついに出てしまった。5000頭以上の大きな農場だ」―。まだ薄暗い26日午前5時半ごろ、高崎市内の養豚場でのCSF感染を告げる山本一太知事の電話に県幹部は言葉を失った。

 群馬県は飼養頭数が全国4位の“養豚王国”だ。2年前に国内でCSFが拡大し始めて以降、県は野生動物の侵入防止柵や消毒ポイントの設置、野生イノシシへの経口ワクチン散布など抑止に力を入れてきた。

 今年1月には県内全養豚場で飼養豚へのワクチン接種を終え、その後も新たに生まれる子豚への接種を継続。昨年10月に野生イノシシの県内初感染が判明してからも1年近く飼養豚への感染を水際で防いできた。

 それだけに関係者の衝撃は大きい。感染が判明した養豚場は防止柵設置や消毒用の消石灰散布などの対策を講じている「意識の高い農家」(県畜産課)。感染した子豚こそ未接種とはいえ、多くの豚はワクチン接種済みだ。これだけの対策をかいくぐられ、県幹部は「国にとっても驚きだったはずだ」と打ち明ける。

 拡大を防ぐため、県は国と連携した感染経路の究明や周辺農場への注意喚起などに力を入れる。27日の対策本部会議でも対策を強化する方針を確認した。

 特に感染が判明した養豚場では9月上旬から下痢などの影響で子豚約200頭が死んでいたが、県が把握したのは相談を受けた25日。異変をいち早く察知するため、新型コロナウイルス対策で高齢者・障害者施設向けに立ち上げたインターネットによる発熱状況報告システムを養豚場に応用する検討を始めている。

 「発生してしまった以上、ここで食い止めることに尽きる。しっかり封じ込めることが風評被害を防ぐことにつながる」。26日夜の臨時会見で山本知事はこう強調した。

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