来日5年目のベトナム人実習生・ルアンさん 難関の技能検定取得
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賀川社長(右)、黒沢部長(左)から祝福を受けるルアンさん

 群馬県高崎市吉井町本郷のプラスチック部品製造の三進工業(賀川映之社長)で働くベトナム人男性の技能実習生、ブー・シー・ルアンさん(29)が国家技能検定「プラスチック成形(射出成形作業)」の2級を取得した。受験者はほぼ日本人技術者で合格率約4割という難関の突破に、同国大使館からも表彰を受けた。取得を踏まえ、特定技能への在留資格移行も見通せたとする同社は「社の大切な戦力」と喜ぶ。

 射出成形は、金型にプラスチックを注入して成形する方法で、多くの製品に用いられている技術。検定は成形機や金型についてのほか、品質管理、安全衛生の知識も必要。学科と実技の試験があり、専門用語も含めて全て日本語での出題となる。

 ルアンさんは3年間の技能実習の後、2年間延長し来日5年目。受験に向け、翻訳ソフトや辞書を使いながら過去問題で学ぶなど試験勉強を重ね、技能と言語の壁を突破した。努力の末の取得に「難しかったけれど、もっと張り切りたい」とさらなる技術の向上を目指す。

 指導は、同社で唯一、同検定の特級を持つ製造部の黒沢准部長が、技術面の指導のほか、休日には一緒に釣りに行くなどして日本語に親しむ環境づくりに努めたという。

 同社は14年前から技能実習生を受け入れているが、2級の取得は初めて。ルアンさんについて、賀川社長は「非常に真面目。決して器用ではないが、くじけない姿に心を打たれた」と感服する。

 取得を受けて、ベトナム駐日大使館の1等書記官名で表彰を受けた。「新型コロナウイルスの感染が拡大する中でも休むことなく研鑽けんさん、努力し続けた。合格を熱烈に祝福する」とのメッセージが添えられた。

 同社は、特定技能外国人を受け入れるために入会が必要な、経済産業省の「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」への加入申請を続けていたが、ルアンさんの2級取得後、入会が承認された。ルアンさんが特定技能に移行できるように努めていくという。

 ルアンさんが指導に携わっている技能実習生3人は同検定3級を取得。賀川社長は「後輩の技能実習生の良き憧れになってくれている」と今後の活躍に期待を寄せている。

◎合格率は4割 18年度
 技能検定は国家検定の一つで、1~3級と特級がある。取得すると、職業能力開発促進法に基づき「技能士」を名乗ることができる。プラスチック成形は1968年度から始まり、作業別に4種がある。

 中央職業能力開発協会(東京都)によると、ルアンさんが取得した「射出成形2級」は、2年間の実務経験が受験条件。合格率は2018年度までの累計で37.3%。同年度は受験者129人のうち合格は52人だった。

 外国人研修生を対象とした検定は「基礎級」や「随時2級」などとして別途で設定されており、三進工業によると、「通常の技能検定を外国人が挑戦すること自体がかなり珍しい」という。

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