ドングリ8年ぶり凶作 食料求めクマ出没の危険増で警戒呼びかけ
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 冬眠前のクマの餌となるドングリ(堅果類)について、群馬県鳥獣被害対策支援センター(高崎市)は29日、今年は凶作だと発表した。凶作は8年ぶりで、豊凶を示す指数は2007年度の調査開始以降で最も低い水準。クマが食べ物を求めて人里へ出没する恐れが高まるため、県は晩秋にかけて警戒するよう呼び掛けている。

◎ブナは2年連続の「大凶作」 被害件数も前年上回る
 同センターが9月、利根沼田地域の木の状況を調べた。このうちミズナラ、コナラ、クリは不作、ミズキ(液果類)は凶作、ブナは大凶作だった。5種の合計を凶作と認定した。ブナは昨年も大凶作で、実が極端に少なかった。

 ドングリは1年おきに豊作と凶作を繰り返す傾向があるが、県内は昨年も不作で、野生動物にとっては山林に食べ物が少ない状況が2年続くことになる。同センターは、実りが悪い状況が続いている明確な理由は分からないとした上で、「受粉期に雨が多いと実が付きにくくなるほか、前年の気候も豊凶に影響する」としている。

 クマは雑食で、秋はドングリなどの実が重要な食べ物になる。不作や凶作の年には行動範囲が広がり、目撃頭数が増加する。並作だった18年9~12月、県内のクマの目撃は95頭だったが、不作だった19年の同時期は2.5倍の234頭に増えた。

 県内にはツキノワグマが約1000頭生息しているとみられ、今年は7月に151件、8月に255件の目撃情報が寄せられている。8月以降、クマと遭遇した登山者や釣り人などがけがをする被害が5件発生し、昨年の2件を上回っている。

 同センターは今秋もクマが人里近くに出没する危険性が高いとして「市町村などが発信する目撃情報に注意してほしい」と注意喚起している。

 クマを寄せ付けない方策として、行楽やキノコ狩りなどで山に入る際は複数人で行動し、鈴やラジオなど音の出る物を携帯することが有効としている。畑などに傷んだ農作物を残しておくとクマを引き寄せるため、生産者らには適切に処理するよう求めている。

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