《コロナ現場発》群馬県内の住居確保給付金 4カ月で1000件超
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 新型コロナウイルスによる景気悪化で、働く意欲がありながらも家賃の支払いが難しくなった人などに向けた「住居確保給付金」の支給決定件数が群馬県でも急増している。県内の4~7月は計1094件で、既に前年度(51件)の21倍に達した。景気の急浮揚は望めなそうな状況で、秋から冬にかけて感染が再拡大すれば、支給決定に拍車が掛かる可能性がある。

◎国の4月からの要件緩和も背景に
 「飲食業関係の方が目立つ。経営者も従業員も、どちらもです」。4~7月の支給決定が県内最多の246件だった高崎市の担当者は、対象者の職種の傾向をこう説明した。タクシー運転手や運転代行の人も多いという。

 これまでの申請のピークは5月で、7月にかけて徐々に状況が改善されていると感じていたが、8月は再び厳しい流れに。都内で感染者が増えたことが背景にあるとみる。失業はしていないが収入が激減し、この制度や借り入れなどでしのいでいる人が少なくないという。「景気も雇用も厳しい。すぐ良くなるというわけにはいかないだろう」

 県によると、市町村別の決定件数は、高崎に続いて太田221件、伊勢崎191件、前橋88件、桐生80件となった。県全体を月別で見ると、4月43件、5月245件、6月315件、7月157件。新型コロナを受け、国が4月から「ハローワークへの登録」を不要とするなど、要件を緩和したことも背景にある。

 4~7月の県内の決定件数は既に、リーマン・ショック後に最多だった2010年度(536件)の2倍に迫った。相談は計2850件、申請も1224件に上る。昨年度にゼロだった町村部でも本年度は支給決定があるという。

 富岡市は昨年度は相談がなかったが、本年度は7月までに16件の相談を受け付け、2件を決定した。窓口業務の委託を受けている市社会福祉協議会の担当者は「電話相談を含めると、さらに多くの問い合わせがある。秋や冬に感染が再拡大し、再び景気が冷え込まないか心配だ」と話す。

 派遣業者のあっせんで同市に来たが、仕事が打ち切られたままの人もいるという。「今後は例えば、自営業で何とか頑張ろうと思っていたのに仕事が戻らず、貸し付けを受けても立て直しが困難という人も出てくるのでは」と懸念する。(五十嵐啓介)

 住居確保給付金 生活保護に至る手前の安全網(セーフティーネット)を担う「生活困窮者自立支援制度」の一環。期間は原則3カ月で9カ月まで延長できる。支給上限額は自治体や世帯人数によって異なる。富岡市の単身世帯の場合、支給の上限は3万0700円。新型コロナの感染拡大を受け国は4月、対象を従来の離職者に加え、勤務先の休業などやむを得ない事情で減収になった人にも広げた。

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