女性刺し現金奪う 強盗殺人の疑いでベトナム国籍男を再逮捕
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 前橋市富士見町皆沢のホテルで9月10日朝、経営者の女性=当時(71)=が刺殺され、現金が奪われた事件で、前橋署の捜査本部は5日、強盗殺人と建造物侵入の疑いで、で住所不定、無職のベトナム国籍の男(30)を再逮捕した。捜査本部によると、男は事件について「話したくない」と黙秘している。捜査本部は、男が金銭的に困窮して犯行に及んだ可能性もあるとみて、動機や経緯などの解明を進める。

◎在留期限は今月まで 6月から群馬で滞在か
 逮捕容疑は9月10日午前9時40~50分ごろ、ホテル敷地内で女性の背中を刃物で刺して殺害し、ホテルの事務所に侵入し現金約5万5000円を奪った疑い。女性は市内の病院に搬送されたが、大動脈損傷による失血で亡くなった。

 捜査本部によると、男は奈良県で金属製品の加工実習をしていたが、その後行方が分からなくなっていた。今年6月ごろに群馬県を訪れ、大泉町や前橋市を中心に生活していたとみられる。在留資格は技能実習で、2018年10月22日に入国し、在留期間は今年10月23日までだった。

 捜査本部は、ホテル付近の防犯カメラの映像などから男を特定。強盗殺人事件の後、男はタクシーや電車を乗り継いで逃走し、東京方面に向かったとみられている。

 男は9月15日朝に東京都品川区の交番に出頭し、「群馬県で人を殺した」と事件への関与をほのめかしていた。県警は同日、同3日夜に大泉町から同市富士見町石井までタクシーに乗車し、料金約1万2000円を支払わなかったとする詐欺容疑で逮捕。前橋地検は5日、同容疑について処分保留とした。

 捜査本部は当初、殺人事件として捜査していたが、ホテル関係者の証言などで事務所から現金が持ち去られていたことが判明し、強盗殺人事件と断定した。

◎遺族ら「ようやく報告できる」
 前橋市のホテルで起きた強盗殺人事件で、強盗殺人などの容疑でベトナム人の男が再逮捕された5日、犠牲となった女性の遺族や友人は「ようやく報告できる」と話した。

 女性の告別式は6日に執り行われる。長男(35)は再逮捕の報告を受け、「不安な部分もあったけれど、母に『(容疑者が)捕まったよ』と伝えられるのは良かった」と語った。事件の詳細については分からない部分が多いとして「(容疑者は)けじめをつけ、母を殺した理由など細かく話してほしい」と求めた。

 被害者の女性と同じ英会話サークルに所属していた女性(84)は今も亡くなった実感がないという。「(容疑者が)捕まっても、彼女を失った悲しさは癒えない。彼女のすてきな笑顔をまた見たいと思ってしまう」と悲痛な思いを語った。

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