弁護側が異例の有罪主張 前橋・女子高生死傷事故の控訴審初公判
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東京高裁

 前橋市北代田町の県道で2018年1月、乗用車で女子高校生2人をはねて死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われ、一審前橋地裁で無罪判決を受けた男(88)=同市=の控訴審初公判が6日、東京高裁(近藤宏子裁判長)であり、弁護側が自ら有罪を主張し、即日結審した。一審で無罪となった弁護側が控訴審で有罪主張に転じるのは異例。判決は11月25日に言い渡される。

◎面会時に「有罪を認める。申し訳ない」
 検察側が「予見可能性が認められないとして無罪とした原判決は事実を誤認している」とする控訴趣意書を、弁護側が有罪を認める控訴答弁書をそれぞれ陳述した。弁護人はその後の弁論で、被害者の無念を推し量り「(被告は)88歳で余命も長くない。人生の最期を迎えるに当たり、罪を認め、その責任を取り、償いたい」と述べた。

 弁護人は閉廷後、記者団に「(被告は)過去に何度も事故を起こし、予見可能性があった。運転を回避する義務があった」などと説明した。

 弁護人によると、一審判決後、被告の長男を通じて弁護を依頼され、9月29日に被告本人と面会して有罪を主張するとの意思を確認している。公判に被告本人は出廷しなかったが、面会時に「有罪を認める。申し訳ない」と話していたという。

 弁護人に対し、9月下旬に群馬弁護士会から「(被告)本人の意思を確認するように」と慎重な対応を求める書面が届いた。

 事故は18年1月9日朝に発生。男は乗用車を運転中、対向車線の路側帯を自転車で走っていた2人と衝突、市立前橋高1年の女子生徒=当時(16)=を死亡させ、同校3年の女子生徒=同(18)=に脳挫傷などの大けがを負わせた。

 一審前橋地裁は今年3月、薬の副作用で意識障害に陥ったと認めた上で、副作用が生じることについて説明を受けた証拠はないとして「(事故前に陥った)意識障害の予見可能性は認められない」として無罪判決(求刑・禁錮4年6月)を言い渡した。検察側が控訴していた。

◎有罪の主張 経緯聞き理解 亡くなった女子生徒の遺族
 自転車で登校中に男の乗用車にはねられ死亡した市立前橋高1年だった女子生徒の遺族は6日、弁護士を通じてコメントを発表した。コメントの全文は次の通り。

 私たちとしては、有罪主張に至った経緯を弁護人の口から聞くことができたことで、その点について一定程度理解することができました。いずれにしても、判決を待ちたいと考えております。

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