邑楽町が新設の中央公民館で雨漏り 工事先延ばしで1年補修せず
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雨漏りが約1年にわたり続いている邑楽町中央公民館
しみ出る雨水を吸い取るために置かれたタオル

 群馬県邑楽町が2018年5月に新設した中央公民館が19年10月に雨漏りが見つかったものの、約1年間にわたって補修が行われずにいることが9日までに、町などへの取材で分かった。施工業者などは瑕疵かしを認めず、原因究明を優先するよう求める町議会の意見もあり、工事が先延ばしになってきた。雨が降るたびに職員が壁面や床に垂れた雨水の吸い取り作業をしているという。事態の長期化に、関係者は「建物自体の傷みも進んでいるはずだ」と指摘している。

◎台風19号から雨漏り 業者が費用負担応じるも今度は議会が紛糾
 モダンなデザインのコンクリート打ち放しの建物には「むらの森ホール」をはじめ、会議室、和室などを完備。建築工事費に約10億円をかけた町民の文化芸術振興のシンボル的存在だ。施工は同町と館林市にある2社による共同企業体(JV)で、設計は東京都の会社が担当した。

 雨漏りを正式に確認したのは建物の引き渡しから1年5カ月が経過した19年10月12日。台風19号による豪雨に見舞われた日だ。町によると、コンクリートに生じた多数のひび割れから雨水が入ってしまうことは分かったが、ひび割れが生じた原因が分からず、雨漏りを止める工法の決定に約半年かかったという。

 今年5月、町はJVと設計会社に瑕疵担保責任に基づく補修工事を要請。しかし、いずれも「瑕疵はない」と返答したという。ただ、JVは「施工業者として道義的責任はある」と補修費負担には応じるとした。

 補修工事に向け、町は長期にわたる雨漏り防止のため、補修と一緒に「防水塗装工事」を町費で行うことを決め、同月20日の町議会全員協議会で補正予算案に計上する意向を報告。しかし、複数の議員から「雨漏りの原因究明が先」との指摘を受けて白紙になった。

 半田康幸副町長は「防水塗装工事はいずれやらなければならない」とし、「補修と一緒なら足場代を業者と折半でき、費用面でも利点があった」と説明する。

 その後、大学やコンクリートの診断を行う会社が現地調査に入ったが、報告書ではJVや設計会社の瑕疵を裏付ける材料は出てこなかったという。

 当初は今年の梅雨や台風に備えて補修を終えるはずだったが、結局工事に至らず丸1年を迎えようとしている。町は現在、早期に補修工事のみを実施する方向で調整している。

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