コロナに負けず踏ん張る食堂 桐生の「はっちゃんショップ」
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一人で切り盛りする田村さん(右)

 店主の人柄と500円で「おふくろの味」を好きなだけ食べられる気前の良さから、多くの人に愛されている群馬県桐生市相生町の食堂「はっちゃんショップ」。一人で切り盛りする田村はつゑさん(85)は、新型コロナウイルスの影響を受けながらも踏ん張り続けている。

◎500円で提供 「人を幸せにする食堂」
 サバのみそ煮やカレー、焼きそばなど、色とりどりの総菜は全て食べ放題。開店と同時に、満席になるのは言うまでもない。

 田村さんは相生町出身。戦後すぐに母を亡くし、父が再婚すると10歳で奉公に出された。学校に通えず、働きづめの毎日だった。

 57歳で転機が訪れた。子育てが終わり、念願だったバイクで日本一周旅行へ。旅先で人の優しさに触れ、自身も親切を返したいと思うようになり、62歳で食堂をオープンした。

 新型コロナの影響による休業直前、それまで1日40人以上だった客が10人ほどに落ち込んだ。約2カ月半休業し、6月に再開。8月に入ってようやくにぎわいを取り戻した。

 年金を切り崩し、毎月7、8万円を補填ほてんする経営だが、田村さんは「値上げはしない。誰も来なくなっちゃう」ときっぱり。

 約20年前からの常連、殿岡仁さん(57)=同市境野町=は「欲のない人」と目を細める。「人を幸せにする食堂」と言う人もいる。田村さんは「動けるうちは続けたい。働きながら最期を迎えたいね」と笑った。

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