《コロナ現場発》客足が激減 苦境 前橋のクラスター発生2カ月
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クラスター発生が打撃となり、閑散としている前橋市の中心街

 前橋市中心街のホストクラブ2軒で相次いで新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生して2カ月になる。全国的に感染者の確認が目立つ繁華街は「夜の街」のレッテルを貼られ、市内の接待を伴う飲食店は客足が激減、休業などの苦境に立たされている。一方、プライバシーの観点から、情報が保健所に正確に報告されないことが、課題として浮き彫りとなった。市保健所の担当者は「コロナは誰もがかかりうると社会全体で認識し、感染者への偏見や誹謗ひぼう中傷をなくすことが大切」と訴える。

■対策を徹底
 「街に人が出なくなり、閑散としてしまった。『夜の街』が注目されるとは…」。前橋のパブで働く40代女性は、声を落とした。

 店はクラスター発生の影響などで客足が遠のき、一時休業を余儀なくされた。「蓄えを切り崩して何とかやっている。以前のように人が戻ってくるか分からない」とため息をついた。

 キャバクラ店に勤める30代女性も「給料は以前の半分から3分の1ほどになってしまった」と苦境を訴える。同店はクラスター発生前から、検温や消毒、マスク着用での接客などの対策を徹底。入店も常連客らに限るなど、できる限りの対策はしているという。

■正しい情報を
 クラスター発生後、群馬県や前橋市はホストクラブの従業員らを対象にした集中PCR検査を実施し、各店に対策を呼び掛けた。

 市保健所には多い時は1日200件ほどの電話相談が寄せられた。症状や行動歴など、聞き取り調査が深夜に及ぶこともあったという。

 一方、今回のクラスター発生に際して、感染者や家族のプライバシーが侵害されることを恐れて報告をためらったり、虚偽の報告をする例もあった。保健所の担当者は「感染拡大防止には正確な情報が重要。偏見をなくし、正しい情報を報告しやすい環境を社会全体で整える必要がある」と訴える。

 冬に向け、新型コロナの再流行も懸念され、市保健所は市内医療機関と連携して備える。担当者は「総力戦で対応している。3密を避けるなど、今後も新しい生活様式を実践してほしい」と呼び掛けている。(浦野葉奈)

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