県防災ヘリ「はるな」墜落 男性機長を書類送検へ 遺族に説明
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
群馬県警本部

 群馬県防災ヘリ「はるな」が2018年8月、中之条町の山中に墜落し、搭乗していた9人全員が死亡した事故で、群馬県警がヘリを操縦していた男性機長=当時(57)=を業務上過失致死と航空危険行為処罰法違反の疑いで、容疑者死亡のまま前橋地検に書類送検する方針を固めたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。遺族に対し捜査状況の説明を始めており、最終調整を経て11月中旬にも書類送検するとみられる。

◎視界不良のまま飛行を継続
 捜査関係者によると、男性機長は18年8月10日午前、雲が多く視界が悪くなり、目視による飛行が困難になったにもかかわらず、引き返す判断を遅らせて飛行を継続。さらに「最低安全高度」とされる地表から150メートルを下回る低空を飛ぶなどした結果、中之条町の山中にヘリを墜落させ、県防災航空隊員ら8人を死亡させた疑いが持たれている。隊員らの死因はいずれも外傷性ショックだった。

 事故を巡っては、国の運輸安全委員会が2月に公表した報告書で、男性機長が悪天候によって視界を遮られ、機体の姿勢を錯覚する「空間識失調」に陥ったことが墜落の原因とする見解を示していた。

 事故後、ヘリが国に事前提出していた飛行計画と異なるルートを飛行していたり、機体への備え付けが義務付けられている航空日誌が不搭載だったりした問題などが相次いで発覚している。21日に県警から、機長のみを立件する方針だと説明を受けたという遺族の一人は「県や運航会社の責任も明らかにしてほしかった」などと複雑な胸中を打ち明けた。

 「はるな」は18年8月10日午前9時14分ごろ、全線開通を控えた「ぐんま県境稜線りょうせんトレイル」で、山岳遭難に備えて危険箇所などを確認するため、前橋市の群馬ヘリポートを離陸。西吾妻福祉病院(長野原町)を経由し、現地に向かっていた。県が運航を委託した東邦航空(東京都)から出向していた男性機長ら防災航空隊員4人と、吾妻広域消防本部の5人の計9人が搭乗していた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事