家畜窃盗に関与か ベトナム人男女13人 入管難民法違反疑いで逮捕
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家宅捜索を行う捜査員=26日、太田市
 

 群馬県内外の農家から家畜や果物が相次いで盗まれた窃盗事件に絡み、群馬県警は26日、入管難民法違反の疑いで、太田市に住むいずれもベトナム国籍の20~30代の男女計13人を逮捕した。会員制交流サイト(SNS)に家畜の売却に関する投稿があり、内容などからベトナム人らの関与が浮上。市内の民家を同日家宅捜索し、冷凍の鶏肉約30羽分を発見したほか、果物などを県外に発送した際に使われたとみられる伝票類を押収した。県警はグループの一部が連続窃盗に関与した疑いがあるとみて捜査している。

◎SNS投稿を分析 発送伝票類も押収
 逮捕されたのは、太田市新田上中町、自称カラオケ店経営の男(39)ら13人。逮捕容疑は在留期限が切れたまま滞在を続けていたなどの疑い。11人は容疑を認めているが、2人は否認している。

 県警によると、県内では9月末までに豚や牛、ニワトリが相次いで盗まれているほか、ブドウやナシといった果物の被害も続いており、被害額は計約2700万円に上っている。近接する埼玉、栃木、茨城の3県などでも被害が確認されており、家畜などを狙った連続窃盗事件として各警察が捜査している。

 被害が相次ぐ中、県警はベトナム人が利用するSNSで豚の解体の様子や果物の写真などが投稿されているのを見つけ、内容を分析。8月中旬に、伊勢崎市のベトナム料理店から出てきた軽乗用車が太田市の民家に戻り、その後、ベトナム人男女が同市の配送センターから果物を発送しているのを確認した。過去には肉を発送していたことも判明した。

 この民家から男3人が埼玉県北部のナシ畑に向かい、付近を物色していたことも分かっている。この畑では大量のナシの盗難が確認された。

 こうした状況などから、県警は民家が連続窃盗の拠点となった可能性があるとみて、26日に入管難民法違反などの容疑で家宅捜索し、冷凍した鶏肉などを見つけたという。県警は複数のグループが転売目的で家畜などの窃盗を繰り返し、SNSなどで購入者を募っていた可能性があるとみて、それぞれの販売ルートなど全容解明を急いでいる。

◎農家「全容解明を」…窃盗関与を捜査
 群馬県などで農畜産物の盗難が相次いだ事件に絡み、太田市のベトナム人13人が摘発され県警が関与を捜査していることが判明した26日、盗難被害に遭った畜産農家はあらためて事件に怒りや悔しさをにじませた。会員制交流サイト(SNS)内のベトナム人コミュニティーでは豚や果物を売買する複数の投稿が相次いで確認されており、全容解明を求める声が上がる。

 「こんなことが許されていいのか」―。前橋市で養豚場を経営する40代男性は豚の盗難被害の後、SNSに投稿された写真を見て憤っていた。小さな部屋のような場所で解体される豚。「各地に発送できる」との説明もあったという。

 7月に盗難被害が発覚。子豚など計400頭以上が盗まれ、被害総額は2000万円に上る。防犯カメラを設置し、豚舎に鍵も付けて警戒してきた。今回の摘発を受け「SNSには複数のグループがあり、売買の投稿が相次いでいるようだ。もっと多くが関与しているのではないか」と語った。

 8月に子豚50頭を盗まれた同市内の別の養豚農家は「とりあえずほっとしているが、被害は腹立たしい。警察には全容解明に努めてほしい」と語った。豚40頭が盗まれた邑楽町の畜産農家は、防犯カメラなどを設置するまで、毎晩見回りしていたほど不安だったと振り返った。「一生懸命育てた豚をその場で解体する残酷な手口で盗まれた」と怒りをにじませた。

 県養豚協会の岡部康之会長は「犯人とみられる人物の逮捕は喜ばしい。再発防止につながってほしい」とし、「今回の盗難は組織犯罪の可能性もあると聞いている。県警の捜査を見守りたい」とした。

◎深夜に出掛け 未明に帰宅…2棟に19人居住か
 太田市新田上中町の静かな住宅街の一角。入管難民法違反容疑で摘発されたベトナム人が住んでいた住宅で26日、県警による家宅捜索が行われ、現場は物々しい雰囲気に包まれた。

 家宅捜索は同日午前6時ごろから約6時間にわたった。県警の捜査員や東京出入国在留管理局の職員ら計約180人で実施した。敷地内に平屋建て貸家が4棟並び、うち2棟に逮捕された13人を含むベトナム人の男女19人が居住していたとみられる。

 近くに住む60代女性は、今夏から外国人の男性らが深夜に車で出掛け、未明に帰ってくる様子をたびたび見掛けたという。「車と家を行ったり来たりしていた。何をしているんだろうと思っていた」と話した。

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