PC1人1台で教員向け研修 県総合教育センターが体制拡充
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 

 児童生徒に1人1台のノートパソコンやタブレット端末を持たせて授業などで活用する構想が全国的に進む中、教員が機器の扱いに慣れたり、知識を高めたりする必要性が生じている。県総合教育センター(伊勢崎市)は機器やソフトの使い方、学ばせ方を広める教員研修を積極的にオンライン化。各地から移動せずに参加できる態勢を整え、企業などと協力して次々と外部講師に登場してもらうなど内容を充実させている。

 同センターでは機器の利用を巡る多彩な研修の準備と、新型コロナウイルス感染を防ぐための研修のオンライン対応が併せて進む。新型コロナ感染拡大で、県が4月に「1人1台」を県立高で年度内に実現すると表明し、市町村に同調を促したことがきっかけとなった。

 全て遠隔で、6月には学習支援ソフトを提供するベネッセとリクルートの担当者がセンター職員に講義。8月にグーグル関連企業の講師が連絡用ソフトの使い方を県立高の教員110人に説明した。10月には小学校や中学校などに区分して計4回、情報処理推進機構(IPA)がインターネットの安全面について解説した。

 9月には、教育システムなどを手掛ける内田洋行に依頼して、佐賀県や長野県の情報通信技術(ICT)の専門家を手配。「1人1台」の活用例を聞いた。動画投稿サイトを使い、講義の録画映像を教員のみに公開したところ、再生回数は千回を超えた。同センター教育情報推進係長の大野慎一郎さんはオンライン対応の強化に手応えを感じ、「今、1カ所に千人を集めるのは大変」とした。

 「1人1台」は児童生徒が機器を授業や自宅学習で活用するが、イメージを持てていない教員は少なくない。専門性の高い外部講師の説明により「具体的な活用例が参考になった」という感想が寄せられた。「ICTを使うかどうか考える段階ではなく、私たちが生徒に使わせなければならない」と気付き、気持ちを新たにする教員もいた。

 オンライン対応では、機器の操作方法などの対面研修と使い分け、遠隔の強みを生かしている。教員が事例発表に参加しやすくなり、情報交換の活発化も期待される。大野さんは昨年度までメール以外に業務上でオンラインのやりとりはなかったとし、「センター全体で機動的に対応していく。次世代を生きる子どものため、研修を担う私たちが時代に遅れてはいけない」と話した。

 同センターの研修で講師も務めた佐藤和紀・信州大助教(教育工学)は「関東甲信越を見渡しても、都道府県単位でここまでオンライン対応やICT研修が充実した県はないだろう」とする。教員だけで全て賄おうとせず、外部の専門家の力を生かしている点を評価し、「長期休校の混乱を忘れず、『1人1台』が学校を大きく変える事業だと行政トップまで理解していることが伝わる」と述べた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事