復刻の「片原饅頭」あす閉店 惜しむ声 “前橋の味”継承を
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片原饅頭を手作りする職人

 群馬県の前橋名物の酒まんじゅう「片原饅頭まんじゅう」を復刻し製造販売を続けてきた「片原饅頭 前ばし万十まんじゅう屋」(前橋市西片貝町)が、後継者不在のため、15日に閉店する。最後に懐かしの味を口にしようと、閉店を知った県内外のファンが買い求め、予約もほとんどが埋まっている。運営する正幸まさこう(同)の福島正幸社長(72)は「やりきった思いもあるが、この味が絶えてしまうことだけが心残り」と、“前橋の味”を継承してくれる人材を求めている。

◎体力続かず 後継者探しに奔走
 片原饅頭は、同市中心街にあった1832(天保3)年創業の片原饅頭志満しま屋本店が製造販売していたが、後継者不足のため1996年に閉店した。

 競輪選手を引退し、ギョーザ店を営んでいた福島社長が15年ほど前に「ふくまんじゅう」の名で製造を始めた。郷土の名物を復活させたいとの思いで志満屋の職人頭だった男性を探し出し、5年がかりで指導を仰ぎ改良を重ねた。男性が認めるほどの味を復元し、2012年に商標登録し「片原饅頭」として販売している。

 「もう食べられなくなるのは残念」「さみしい」―。店には名残を惜しむ客がひっきりなしに訪れる。県内外から予約注文が殺到し、製造する職人たちはフル稼働。県外から感謝の気持ちが記された手紙も続々と届く。繁盛しているのに店じまいするのは、店主の福島社長が年を重ね、気力も体力も必要なまんじゅう作りを続けられないと判断したからだ。

 一つ一つ職人が手作りする無添加のまんじゅうは、生地のタネを発酵させるための温度管理など、それぞれの工程で繊細な職人技が求められる。妻の三枝子さん(70)が「片原饅頭を愛し、365日、休みなく考えられるほどの情熱がないと。普通の人じゃできない」と話すほどだ。企業や個人から事業を引き継ぎたいとの話が複数あったが、折り合わなかった。

 福島社長は「この味を受け継ぐのは一筋縄じゃいかない。利益優先だけでも続けられない。伝統ある前橋名物のために一肌脱ぐ覚悟を持ち、本気で取り組んでくれる企業や人物に受け継いでほしい」と話している。問い合わせは同店(027-243-4459)へ。

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