新たな姿を住民一丸で 台風被害の太田・白髭神社 28日に落成式
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白髭神社の再建工事。28日には落成式を行う予定だ土砂で壁が壊された白髭神社。側壁がなくなっている=2019年10月、提供
土砂で壁が壊された白髭神社。側壁がなくなっている=2019年10月、提供

 昨年10月の台風19号で、群馬県太田市藪塚東部地区の八王子丘陵中腹で土砂崩れが発生し、住民に長年親しまれてきた「白髭しらひげ神社」(同市西野)が全壊した。境内や参道も土砂に埋もれる甚大な被害だったが、住民や地元の事業者らが一丸となって再建を進めている。28日に落成式を開く予定だ。

 西野区長の藤生紀之さん(66)らによると、白髭神社は長寿の神「猿田彦命さるたひこのみこと」を祭り、創建は江戸時代以前とされる。昭和前期までは境内が子どもたちの遊び場となり、雨乞いなどの祭事も行われていた。現在も毎年春祭りが開かれ、春秋の草刈り行事には多くの住民が参加してきた。

 台風19号による豪雨で神社横の斜面が崩れ、社殿の壁や柱が破壊されて土砂が流れ込んだ。歴史や伝承をつづった石碑が損壊し、「どんな日照りのときもかれなかった」と伝わる小池も埋没した。

 すぐに区役員らが再建に向けて動きだした。翌11月に建設方法を協議する研究会を立ち上げ、今年3月の区総会で再建案が承認された。ただ、再建費用の捻出が課題となった。神社の運営費では賄いきれないため、地元で寄付を募ることにした。

 4月から地元の住民に通知を出し、役員らが戸別に訪問するなどして寄付金集めに奔走した。「子どもの頃、境内でよく遊んだ」「両親に神社の歴史を聞いて育った」などと思い出を語る人たちから寄付があり、徐々に善意の輪が広がった。地元や市内に事業所のある企業3社も浄財を寄せ、半年間で計約550万円が集まった。

 約60年前に父親が大工として社殿を修復したという男性が建設を請け負い、砕石業者から境内に敷く砂利の提供を受けるなどの善意にも恵まれた。9月に再建工事が始まった。

 藤生さんは「短いようで長い1年だった。今後も神社を地元の財産として守り、その歴史と伝統をしっかり伝えていきたい」と力を込めた。

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