分身ロボット 遠隔操作し高崎特支へ“登校” 難病の女子高生
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問い掛けに手を挙げて応える分身ロボット=19日、高崎市の県立高崎特別支援学校
ベッドから学校にいるロボットを操作し、授業に参加する萩原さん=19日、安中市の自宅(アプリ「上毛新聞AR」をインストールしたスマホやタブレットをこの写真にかざすと動画を見ることができます)

 遠隔操作で自分の分身のように動かせるコミュニケーションロボット「OriHime(おりひめ)」を使い、難病で身体障害のある女子高校生が19日、高崎市の群馬県立高崎特別支援学校に“登校”した。生徒は同校高等部1年の萩原やよいさん(16)=安中市磯部。自宅からおりひめを操って授業に臨み、教員や級友と触れ合った。県教委によると、特別支援学校での分身ロボットの活用は初めて。分身ロボットでの通学が続けられるよう学校側と調整していくつもりだ。

◎「おりひめ」使い双方向に
 「やよいさん、見えますか? 今日は選挙の勉強をします」。教員が話し掛けると、高さ約20センチの白いロボットは「はい」と声を出して首を縦に動かした。他の生徒と並んで机の上に置かれたロボットは、教員の問い掛けに手を挙げて応答。授業の終わりには、「ありがとうございました」と声を出してあいさつした。

 おりひめは安中市の自宅から萩原さんが操作した。ベッドの上に固定されたパソコンに表示される五十音表やスイッチを、視線と指先のわずかな動きで選択しロボットに指示を出す。カメラで教室の映像や音声も確認できる。おりひめでの初登校を終えた萩原さんは「楽しかった。またやりたい」と音声で応えた。

 萩原さんは脊髄性筋萎縮症1型という進行性の難病のため自力で動かせる部位は限られ、声を出すことは難しい。生活のほとんどをベッドの上で送り、移動にはストレッチャーを使う。これまでは毎月1回ほど登校し、教員が自宅で授業する訪問教育を週2回受けている。

 おりひめはオリィ研究所(東京都、吉藤オリィ代表)が開発した。スイッチでうなずいたり、手を振ったりするなどの動作も指示でき、自分の分身としてコミュニケーションができる。同社が提供する意思伝達装置と連携させれば体が不自由な人でも操れる。自宅や病室などからの移動が困難な人が、外の世界と双方向でつながれるツールとして障害者らの教育や就労の現場での活用が期待されている。

 おりひめを活用したいと考えていた母親のルリ子さん(43)が県内の民間団体の支援を受けて、10月に同社から借り受けた。やよいさんの体力と相談しながら操作の練習や接続の調整を繰り返し、学校での活用を実現させた。

 借り受けてからの約1カ月で、萩原さんは今まで行ったことがなかった狭いケーキ店や図書館、県外へも、おりひめを通して訪問したという。ルリ子さんは「おりひめで世界が広がった。いろいろな人に分身ロボットのことを知ってもらいたい」と話す。


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